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仮タイトル ヴァルキリードライブビクニ+3
挑戦



side 桃

「桃ちゃん♪」

 授業が終わり、私はいつもの修行場で軽くストレッチをしていたら、私を呼ぶ声が聞こえた。

「………風宮兄か。何の用だ?」
「ちょっと忠告しにね。」

 風宮はそこまで言うと、咳払いしてから忠告する。

「桃ちゃんの胸の内にどんな思いがあるかはわからない。でもね、そんな態度だといずれ孤立するよ。」

 わざわざ来るからなにかと思えばくだらない。

「それがどうした? 孤立しようがビクニで最強になればいい。」

 私の言葉に風宮兄はため息を吐いていた。

「孤立していたら、最強にはなれないよ。」
「そんなことはない。私は最強になれるさ。」

 強く言い切る私に風宮は深くため息をはいていた。

「桃ちゃん。今暇だよね? ちょっと付き合って。」

 風宮はそう言ってから私の手をとり引っ張って行く。



 風宮に引きづられ辿りついたのが修練場だった。ということはコンゴウに挑むのだろうか? だが、それなら月影に頼ればいい。私をつれていく理由は無いはずだ。

「頼もう!」

 風宮。道場破りではないぞ。

「風宮か。なにか用か?」
「桃ちゃんがコンゴウ先生に挑みたいようなのでその協力しに来ました。」

 何?

「フム。良かろう。桃よ。準備は良いな?」

 ………まぁいい。私が誰と組もうが負ける訳がないのだからな。

「ドライブ!!」

 風宮の叫びに槍となり私の右手に収まった。それを見たコンゴウが私に襲いかかる。それを避け槍を振るうのだが、いつもの槍と違い、鉛の様に重い。いや、槍だけではない。体を鉛のような空気が包み込んでいるみたいだ。

「クソッ!!」

 それでも何とか槍を振るうのだが、コンゴウがその巨大さに合わぬ器用さで攻撃を巧みにかわし反撃を加えていく。そして、カウンターをくらい背後の岩山に叩きつけられた。

「ガハッ!!」

 岩に叩きつけられ肺の中の空気が押し出され一瞬だが呼吸困難におちいる。そして、私の手から離れた槍が元の姿に戻った。

「これでわかったでしょ? 少なくとも今の桃ちゃんじゃあビクニの最強にはなれない。」
「だ、黙れ!! それは貴様が足を引っ張ったからだ!!」
「ハイハイ。言い訳乙。………と言いたいけどね。
半分は当たっているんだよね。」

ほら見ろ! 貴様が足を引っ張った………? 半分?

「確かにボクじゃなくて、倫花ちゃんやマナちゃんがドライブしていたなら負けたとしてもここまで一方的にはならなかっただろうね。でもさ、桃ちゃんがボクに心を開いてくれていたらやはり結果は違ったものになっていたよ。」

何を言うかと思ったらくだらない。

「本気で気づいていないの? ヴァルキリーの武器はただパートナーに振るわれるだけの武器じゃない。互いに相手の心を受け止め、支え合うことでその真価を発揮する。でもさ、桃ちゃんはパートナーの事を一切信用してない。それどころか、自分に振るわれるのが当然だと考えている。そんなんじゃ、パートナーなんてなまくらと変わらない。」

風宮の言葉に私はギュッと拳を握っていた。

「他者と馴れ合えとは言わない。でもさもう少し皆と心を開いて「黙れ!!」」

私は風宮の言葉を遮って叫んでいた。

「なまくら? 上等だ!! その分私が強ければ良いのだからな!!
馴れ合いなど所詮は弱者のなめあいだ!! 強者の私には要らないものだ!!」

私は風宮にそう言い捨てその場を去っていった。



side風宮

「あっちゃ〜。余計拗らせたか。」
「風宮。余計なお世話はやるべきではないと思うが?」

ボクの呟きにコンゴウ先生が釘をさしてくる。

「わかっているつもりてすが、ほっとけないかなって。」

このままじゃ、一番最初にこの島を去らなきゃならないのは桃ちゃんだろうし。

「言いたいことはわかるし、誰も脱落して欲しいとは我も思わぬが。
ところで、下半身の方は見た目によらぬやんちゃぶりのようだな。」

下半身は………って、ドライブしたから裸じゃん!!

「キャアァァァッ!!!!」

我ながらそれはどうかと思うような悲鳴をあげ、両手で大事なところを隠ししゃがんでいた。

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あきゅろす。
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