小説
大人の階段 (台詞のみ)
「隼人さん。私たちも大人になりましたよね」
「あ?なんだ やぶからぼうに」
「だって最初の頃は顔突き合わせてはケンカばっかりしてたじゃないですか」
「あ”ー まあな」
「隼人さんは顔合わせる度にハルのこと『アホ女』って言うし、乱暴だし、ランボちゃんいじめるし」
「そういうお前もギャーギャーうるさかったよな」
「誰のせいですか誰の」
「さーな」
「でもその頃から考えると、まさかこんなことになるなんて思いもしなかったですよね」
「こんなこととはなんだ。光栄に思えよ」
「思ってますよ。幸せマックスお腹いっぱいです」
「訳わかんねー」
「隼人さんはもうすっかり自称ツナさんの右腕になっちゃいましたし」
「それ昔のオレが聞いたら自称じゃねーってキレんぞ」
「今はどうなんですか。」
「ん?んなもん完璧に右腕だ。てか実際肩書きなんかどーでもいい。肩書きなんざやることやってりゃ勝手についてくるもんだって分かったからな。……あの方の傍であの方を守れたらそれだけで十分だ」
「ふふ。昔は『ボンゴレ10代目の妻』を自称してたハルも、今や『ボンゴレ10代目の右腕の妻』ですか……ハルの肩書き、随分長くなっちゃいました」
「それは肩書きじゃねーだろ」
「いいんですよ。肩書きは誇りと同じですから」
「……チッ……何気に良いこといってんじゃねぇ」
………
「そういえば、昔行った未来のハルたちはどうだったんでしょうか……結婚してたんでしょうかね?」
「…さぁな。あそこはもうパラレルワールドだからどうなってんのか分かんねー。ただお前の部屋にイタリアに関する本があったんなら誰かに付いて行くつもりだったんじゃねーか?」
「そうですよねー、ツナさんかツナさんかツナさんだったかもですね」
「てめー…果たすぞ」
「もージョークですってば。きっと隼人さんだったと思いますよ。じゃなきゃイタリア料理の本なんて読まないです。ツナさんだったらがっつり日本料理作りますから」
「そーかよ」
「はい」
………
「まさか、あのアホ女がオレの嫁になるとはな。昔のオレが知ったらたぶん『目を覚ませ!』つって殴られんな」
「ハルだって、まさかあのアウトローでデンジャラスな人と結婚するなんて思いも寄りませんでしたよ!『ありえないです!』って泣き叫びます」
…………
「「じゃあなんで(どうして)お前は(あなたは)オレの(ハルの)嫁に(旦那様)になったんだよ(ですか)!!」
………
「ぷっ」
「ふははっ!」
「おまえ、真似すんじゃねーよ」
「隼人さんこそー!同じこと言わないでください!」
「ってか んなもん知らねーよ。気づいたらそーなってたんだからよ」
「ハルもそんな感じです。気づいたらハルは隼人さんしかいないってなってたんですもん」
「ガキだよな ったく」
「お互い様ですよ」
あの頃に比べたら大人になったけど
中身はあんまり変わらない
運命に導かれて
気がついたら隣に君がいて
それだけで、幸せだ。
新婦の待合室にて
大きな子供が2人
昔と変わらない笑顔で愛を囁く
End.
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