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小説
寝起き対処法


ピピピピピピピピピピ

目覚ましがけたたましく鳴る


ここで唐突だが同棲して新たに分かったことを言おうと思う。


隼人さんは寝起きが凄まじく悪い
機嫌がマックスに悪くなって、最悪目覚ましを爆破しようとまでする

なおも起きろと警告を促す騒音機を止めて、往生際悪く布団に潜り込む彼から べりっと布団を引き剥がした
「はやとさーん…あさですぅ…」
「あ”ァ?」
低い声を響かせながら枕越しにすごい剣幕で睨まれた
まあ、もう慣れましたけど
「……相変わらず朝の顔は凶悪ですね〜。眉間のシワがいち、にい、さん…」
「数えんなクソ女…」
ゴロリと転がってハルに背を向ける
まるで温もりを求める猫のように体を丸めて、強く枕をだきしめた
「オマケに口の悪さも五割り増しっと…」
皮肉をつぶやいてみても彼はすでに二度寝の入り口
微睡みから「んん〜…」と寝ぼけた声を漏らしている

昨日の夜『明日朝から重要な会議があるから目覚ましで起きなかったら起こしてくれ』
って頼んできたのはどこのどなたですか。獄寺隼人さん


「ねえ隼人さんってば、今日会議なんじゃないんですか〜」
ユサユサと揺さぶってみても彼は起きない
そればかりかハルの腕を払いのけて布団を引っ張り始めた

ああ、もうハルはベリーアングリーです。
これで時間までに起きなかったらハルを怒るんですから全くもってお門違いというかいい迷惑というか

とりあえず、この寝起き最悪男を起こすにはテクニックがいる
ハルが長い同棲生活で掴んだこんなときの対処法が。


いちおー猶予をあげましょう

「はやとさーん。さーん、にーい、いーち…」
はい。執行決定

フーーー……

「うっ、うわあああぁぁぁぁッ!!こっ、こんのアホ女ぁ!!」
枕を放り投げ彼はベットから飛び退いた
「やっと…起きましたね?」
題して、『耳ふ〜作戦』
この弱点を知り得るのは未だハルのみ
「テメッ、くそ…」
「隼人さんがいくら起こしても起きてくれないので最終手段に出ました。あ、言っときますけどハルちゃんと普通に起こしたんですからね?そして文句言う時間があるならさっさと顔洗ってきてください」
自分に非がないときの口論はなんて饒舌に喋れることか
隼人さんは苦虫を噛み潰したような顔をして洗面所に向かった

眠そうにあくびをかみ殺す寝起き姿の彼を見て、思わず笑みが溢れる


カーテンを開け放てば鳥のさえずりが聞こえた
朝って感じがしますね!
さーて、今日はチーズトーストとサラダとハムエッグ!はりきって作りますよ〜


獄寺家の朝の情景
しっかり者な彼の意外な一面



目覚まし時計よりも彼女の吐息ひとつで


End.

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あきゅろす。
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