「ああぁあぁあぁぁぁぁ!!!!」
少女――雪華は飛び起きた。
雪華がいたのは、見知った部屋だった。
「ここは……新羅の、マンション……?」
首無しライダー――セルティに会いに何度か来た事があったのだ。
「私……どうして……」
「やぁ、起きた?」
声のした方を見ると、そこには黒ずくめの青年――臨也がいた。雪華は一瞬身体を震わせた。
「私、どうしてここに……?」
「池袋で倒れてた所を、たまたま俺が通ってね。救急車呼ぶの面倒だったから、新羅の所に連れて来ちゃった」
「そう……だったの……じゃあ、あれは、全部、夢……?」
「……?何の事?」
キョトンとして雪華を見つめる臨也。本当に何もわからないようだ。
あれは夢だったのだ。雪華はホッと胸を撫で下ろした。安心したせいか、ボロボロと涙が溢れ出ていた。
「よかった……よかっ、た……」
「変な雪華」
臨也は雪華に近寄って、そっと頭を撫でた。包み込むように、優しく、優しく。
内に秘めた狂気を悟られないように、優しく、優しく撫でた――。
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