「ドタチンたっだいまー!」
「お待たせっす!」
「おかえr……って、てめぇらどんだけたくさん買ってきたんだよ……」
アニメイトから出てきた狩沢と遊馬崎の手には、大量の袋がぶら下がっていた。
中身を聞いても俺にはわからないものばかりだろうが、一応聞いてみた。
「今日のは何だ?」
「今日のはねー、電撃文庫の新刊とか池袋本店限定フィギュアとかだよー!」
「いい収穫をしたっすよ!」
やっぱりわからなかった。
「……ハァ。まぁ、お前らが楽しいならそれでいいけどよ」
二人はバンの後ろに荷物を置き、後部座席に乗り込んだ。
「門田さん、行かないんすか?」
「あ……?あぁ、悪ィ。今乗る」
いつものように、助手席のドアを開けて、乗り込む。
「どうしたの?ドタチン。なんか元気ないよ?」
「ん?そうか?」
「そうっすよ。何かあったんじゃないっすか?」
「…………」
こいつらは、たまに鋭いんだよなぁ……。渡草までこっち見ている。
……まぁ、言って損はないよな。俺は空を見上げながら、胸につっかえている事を呟いた。
「また、池袋がおかしくなってる気がするな……」
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