「わからないよ?それに物事に絶対はないからね。あまり使わない方がいいと思うよ?」
「ご忠告どうも。因みにお兄ちゃんとは疎遠だから、挨拶はできないと思う」
「もしかしたら、池袋にきてるかもよ?ひょっとすると住んでたりして」
「そんなのはドラマの中だけでしょ?現実にあるわけない」
「そう?つまらないなぁ……」
「貴方にとって楽しい事は9割方、他にとって迷惑だから」
「ほんと、可愛いげがないよね……」
「そんな私に付き合ってる貴方はどうなのよ」
「えっ……?」
折原臨也は足を止めた。鳩が豆鉄砲くらったような顔をしている。……そんな突拍子もない質問だったか?
「つまらない女に付き合ってる貴方は、どうなのよ?」
「どうって……」
「もしかして、今回の件で自分が優位に立ったとでも思ってるの?」
「それはないね。君はいつだって気まぐれ屋だ。予想外の動きを見せてくる」
「どうだろうね?それはただ、まだ私をよく知らないからなんじゃない?」
「いつか言ったと思うけど、君に関する情報は驚く程少ないんだ」
「そうでしょうね」
「……どういう事?」
折原臨也の纏っていた空気が一変した。それでも私は話を止めなかった。
「あら?わからないの?じゃあ教えてあげる。私の情報が少ない理由」
「…………」
気付いたら、右手は離していた。折原臨也の左手を。
「私は――」
次の瞬間、私の口は折原臨也の手によって塞がれた。