「い、いえ！そんなんじゃないですよ!!ただ必要な物とか今日の夕飯とか買いに来ただけですから!!」
「ふぅん……。友達の一人や二人くらい一緒に付き合ってもらった方がいいんじゃない？」
「貴方が言うと説得力のカケラもないね」
「雪華さ……もう少し場の空気を読んだらどうだい？」
「貴方に言われたくない」
「全く、可愛いげがないねぇ……」
そんな会話をしばらく繰り返していると突然、竜ヶ峰帝人がボソリと呟いた。
「仲……良いんですね」
「…………は？一体どこを見たらコイツと仲良さそうに見えるの？」
「えっ……その……臨也さんの醸し出している雰囲気……とか」
「よかったね雪華。俺達カップルに見えるって」
「いや、僕は仲良さそうに見えるって言ったのであって、カップルに見えるとは言ってないですよ？」
「…………え？」
折原臨也の目が点になった。私は込み上げてくる笑いを必死に抑えながら言った。
「そう。カップルには見えないのね」
なぁんだ。まだ普通に友達くらいに見えるだけか。安心した。すごく安心した。
でも仲良さそうに見えるのは不服だな……。
「もしかして……何かまずい事、言いましたか!?」
「全然大丈夫。問題ないよ。この人にはちょうどいい薬だったと思う」
「そ、そうですか……」
「……ごめんね帝人君、引き止めちゃって」
「大丈夫ですよ」
「そろそろ俺達は行くね。じゃあまた！」
「また……。雪華さんもまた会いましょう」
「……いつかね」
こうして竜ヶ峰帝人と別れ、再び折原臨也と二人になった。
「そういえばあの男の子、親戚？」
「まさか。名前が珍しいからって、それはないと思うよ？」
「だってさ、貴方と関わってるにんげんって必ず裏がありそうじゃない」
「おやおや？そう考えると、君にも裏があるって事にならないかい？」
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