「……いいじゃない。特に行きたい所ないし。それともナンジャタウンに連れてってくれるの?」
「いやー、ごめんね。建物の中はあまり入りたくないんだよね……。外の方が、色々と相手しやすい」
「そ。……」
制約が多過ぎてつまらないな……。
「何か言いたそうな顔だね?」
「……別に。ただ貴方の手は意外と暖かいな、って思っただけ」
「ありがとう」
「…………」
なんか、ものすごっく違和感があるんだけど……!何か裏がありそうで安心していられない。すごく嫌な予感がする……。
っていうか、平和島静雄に見つかんないのかな?
「まぁとりあえず、シズちゃんに見つからないように池袋を歩き回ろうか」
「……好きにすればいい」
私と折原臨也はしばらく池袋の街を行くあてもなく歩いた。すると……
「あれっ…?臨也さん?」
見知らぬ童顔少年に出会った。どうやら折原臨也の知り合いらしい。
「やぁ、偶然だね。元気かい?」
「えぇ、まぁそれなりに……」
「そうかい。元気なのはいい事だ」
「あ、ありがとうございます……。ところで……隣の方は……誰ですか?」
童顔少年は私の方を見ていた。つまり……
「……私?」
「はい、そうです」
「…………」
さて、どうしたものか。自分から名乗るのは嫌いなんだよな……。というか、最近の子は相手から名乗らせるのか?礼儀がなってないな。
そんなことを考えていると、折原臨也が中間に入って紹介をした。
「俺と手を繋いでいるこの子は雪華。彼女みたいな感じだ」
「違うし」
「え……」
童顔少年が反応に困っている。困っているのは私の方なんだけどなぁ。適当な紹介をしやがって、折原臨也……。
「怖いから睨まないでよ……。雪華は眼光鋭いんだから。で、制服着た彼は竜ヶ峰帝人君」