「あと君の名字。下の名前は知られているのに、上の名字は誰も知らないんだよね」
「……知りたきゃ勝手に調べれば?貴方には絶対に知られたくないけどね」
「ふぅん……そうか、じゃあ君のことを俺自身が頑張って調べるよ。
……ってことで、俺の所で働かない?」
「……はぁ?」
急に何を言い出すんだ?この人。
「時給はよくするし、君に拒否権はないよ」
……わからない。コイツの頭がよくわからない。
「何様のつもり?」
「賭けだよ」
「賭け?」
「そ、賭け。お互いを自分の色に染めるんだよ。
俺は君を人間好きに、君は俺を人間嫌いにするんだ。君が俺を人間嫌いにしたら君の勝ちだ。
どうだい?面白そうだと思わない?」
「……へぇ、面白そうじゃない。ちょうど誰かににんげんの恐ろしさを教えたかった所なのよ」
「じゃあ決まりだ。俺の所で働いて、上手く俺を人間嫌いにしてみなよ」
「上等よ。貴方を立派なにんげん嫌いにしてあげる」
「いいや、俺が君を立派な人、ラブ!!っ娘にしてあげるよ」