あっちに聞こえるくらいの大きな声で短く返事をする。すると、再び間延びした声が響いた。
「早く作ってくれなーい?本当にお腹すいたんだけどー」
因みに只今の時刻、夜11:00近く。こんな夜遅く帰ってきて、ご飯食べて来ないって……ただのアホなんじゃないかな?というか……
「文句言うなら、自分で作れ!」
「えー、嫌だよめんどくさーい」
「カップ麺でも食えばいい」
「俺さぁ、そういうジャンクフード好きじゃないんだよねぇー」
「あっそ」
そんなくだらない話をしているうちに、折原臨也の夕食を作り終えた。あとは解凍した白米を茶碗に移し、その他諸々をお盆に乗せ持っていくだけ。
「ほら、できたよ」
ソファでくつろいでる折原臨也の前に、できたての夕食を置いてあげる。置かれた夕食を見た折原臨也は、嬉しそうな顔で言った。
「おぉ……!!豚の生姜焼きかい?」
「うん」
「へぇ……考えたものだね」
「別に……」
昔よく夕食に出てたから。父さんもお兄ちゃんもそれなりに食べる人だったので、母さんが週に一度作っていた。小さい頃よく手伝ったから、自然と生姜焼きのレシピを覚えていた。
手軽に作れて、飽きにくい。私の好きな料理でもあった。