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DRRR!!夢[臨也]
夜・臨也のマンション・雪華視点


 一人のんびりとテレビを見ていると、玄関のドアが開く音がした。

「ただいま〜、雪華」

 やっと帰ってきたか。折原臨也がリビングに入ってくる。

「…………おかえり。意外と遅かったね」

「まぁね。色々と手こずっちゃってさ、大変だったんだよ?」

「あっそ。矢霧波江は?」

「もう遅くなったから、帰しちゃったよ」

「ふぅん……そう」

「お腹減ったなー……なんか作ってよ」

「……え?食べて来なかったの?」

「そうだよ。だって雪華が一人で寂しく待っているかなーって思って」

「私、もう先に食べたんだけど」

「……へ?」

 折原臨也の目が点になった。追い打ちをかけるように私は彼に言った。

「だから、先食べた」

「…………」

 あ、折原臨也が椅子の上で小さくなった。本当に落ち込んでるのか、演技なのか……。まぁ、どちらにしろ近付かないけどね。

「まぁ……簡単な物くらいなら作ってあげてもいいけど?」

「……本当に?」

 顔が若干輝いている。何期待してるんだか……。

「簡単な物ね」

「じゃあスパゲティー」

「めんどくさい」

「えー……」

「簡単じゃないじゃん」

「ならから揚げとかは?」

「人の話、聞いてた?」

「あははww冗談だよ、冗談。そんなに睨まないでよ」

 なんか……うざい。いつものことだけど、うざい。
 コイツの注文を一々聞いていたら時間がなくなるな。何か簡単そうな料理……。

「……豚肉ある?」

「? 多分あるけど……何作るの?」

「……秘密。楽しみに待ってれば?」

「うん、そうだね。楽しみにしてるよ」

 ……あれ?なんかあっさりと引き下がった……。少し嫌な予感がする。
 とりあえずキッチンへ行き、冷蔵庫を漁る。……お、あったあった。目当ての食材を取り出す。

 そして、折原臨也の夕食を作り始めた。




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