あ、折原臨也が椅子の上で小さくなった。本当に落ち込んでるのか、演技なのか……。まぁ、どちらにしろ近付かないけどね。
「まぁ……簡単な物くらいなら作ってあげてもいいけど?」
「……本当に?」
顔が若干輝いている。何期待してるんだか……。
「簡単な物ね」
「じゃあスパゲティー」
「めんどくさい」
「えー……」
「簡単じゃないじゃん」
「ならから揚げとかは?」
「人の話、聞いてた?」
「あははww冗談だよ、冗談。そんなに睨まないでよ」
なんか……うざい。いつものことだけど、うざい。
コイツの注文を一々聞いていたら時間がなくなるな。何か簡単そうな料理……。
「……豚肉ある?」
「? 多分あるけど……何作るの?」
「……秘密。楽しみに待ってれば?」
「うん、そうだね。楽しみにしてるよ」
……あれ?なんかあっさりと引き下がった……。少し嫌な予感がする。
とりあえずキッチンへ行き、冷蔵庫を漁る。……お、あったあった。目当ての食材を取り出す。