何なんだ……この人……。最初は無表情だけど、いい感じの人だな、って思ってたけど、急に雰囲気が変わった。
臨也さんとは違うけど……なんか、ヤバイ。忠告しただけだったのに、なんでだ?まるでパンドラの箱を開けちまったみてぇじゃねぇか……!!
「……雪華さん、そろそろ私達は帰るね。何かわからない事があったら正臣に電話して、って伝えといて」
「わかった」
「それじゃあ。正臣、行こ?」
「あ……あぁ」
沙樹に連れられて、臨也さんのマンションを出た。
「沙樹……悪ィな」
「うぅん、平気だよ。正臣の顔色、悪そうだったし」
「……あぁ」
沙樹に、助けられちまったな……。
「雪華さんって、考え方とか行動とか全然臨也さんと違うけど、なんか似てるよね」
「あぁ。まるで臨也さんの相手してるみたいだった……。臨也さんみたいな理屈とかないのに、なんか、気持ち悪いみたいな感じが、一瞬した」
「正臣が親切心で言った忠告がアダになったのかもね」