そんなに前の事じゃないはずなのに、すごく懐かしい気がする。
確か初めて折原臨也と出会ってしまった時、拉致されたんだっけ……?
「あの、雪華さんは自分から臨也さんの所で?」
「いや、半強制?仕方なくここにいる」
「そうすか……」
「どうして?」
「深い意味はないんすけど、ただ注意してほしいな、って思って」
「何を?」
「分かってると思いますけど、言っときますよ?」
「……まぁ、聞いてあげる」
「臨也さんとは、深く関わらない方がいいですよ」
「ふむ……なるほどね。確かにそうだとは思うね」
「早いうちに、ここから帰った方がいいですよ
「ふぅん……そう。わざわざ忠告してくれるんだ」
「俺は、昔臨也さんと関わりすぎて色々酷い目に遭いましたから……」 貴「もう同じ目に遭う人を見たくない、と」
「そうです」
「……そう。本当はここから出たいんだけどね。ちょっと面白い約束しちゃったから」
「面白い……約束?」
紀田正臣と三ヶ島沙樹は首を傾げた。私は特にそれを気に留めず、話を続けた。
「そ。私はね、にんげんが大嫌いなんだ。優しさも、喜びも、悲しみも、怒りも、憎しみも哀れみも楽しみも何もかも全部が。もちろん、好きとか嫌いとかも」
「臨也さんとは、まるで正反対だね」
「そう。折原臨也がにんげんの何処が好きなのか、私にはさっぱり」
「まぁ、あの人はもともとそんな性格っつーか、色々イタイ人だからな」