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DRRR!!夢[臨也]
 


「あっ」

 穴に落ちる一歩手前で、イルカのぬいぐるみは落ちてしまった。

「落ちちゃった……」

「諦めるのはまだ早いよ」

「へ……?」

「ほら、穴に転げ落ちそうだ」

「あっ……!!」

 穴の手前でイルカのぬいぐるみが、ゆらりくらり。あと一歩で落ちそうだ。
 あともう少し。あと、もう少し――――


 ダンッ!!


 …………ん?


 ポロッ


 …………えぇっ!?

「いやー、一時はどうなるかとヒヤヒヤしたよ」

「い、今……何を……」

「ん?ガラスを叩いたんだよ?」

「つまり、落ちそうなイルカさんを、ガラスを叩いて落とした、と?」

「うん、そうだよ。よかったね雪華。念願のイルカさんだ」

「その方法……しちゃダメなんじゃ……」

「いいのいいの。細かい事を気にしてたら、生きていけないよ?」

「それ以前にモラルってモノがあるけど」

「ほーら、店員に見つかる前に帰ろうか」

「一応、自覚はあるんだ……」

「ははっwとりあえず、はい」

 折原臨也は取りだし口からイルカさんを取ると、私の前に差し出した。

「そこまで、欲しかったわけじゃないけど……取れたなら……貰っておく」

「どうぞw」

 無言で目の前にあるイルカさんを受け取る。
 ……予想通り、ふわふわしていて、気持ちいい。

「さーてと、シズちゃんに見つかる前に、新宿に帰ろうかー」

「勝手にすればいい」

 ようやく帰路に着いた私と折原臨也。
 この時はまだ、気付かなかった。否、気付くはずもなかった。


 私達を見つめていた、ある視線に――。




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あきゅろす。
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