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DRRR!!夢[臨也]
 


「チャットでのネカマ言葉が現実にも滲み出てる証拠だよね」

「……なんでチャットの事知ってんの?」

「矢霧波江が教えてくれた」

 こういう奴だから気を付けなさい、と折原臨也がいない間に色々見せてもらったのだ。役立つ日が来てよかった。矢霧波江に感謝しておこう。

「…………そう。まぁ、とりあえず帰るか」

「えっ!?帰るの?」

「……ww」

「……!!……〜〜!!!」

 しまった……!つい、言ってしまった!!
 ものすっごいニヤけ面で折原臨也がからかってくる。

「そのイルカのぬいぐるみ、やっぱ欲しいんでしょ?w」

「うっ……べ、別に」

「じゃあ帰ろうか」

「嫌だ」

「……イルカのぬいぐるみ、欲しいんでしょ?」

「別に、って言ってるじゃん」

「なら帰ろう」

「嫌だ」

「イルカのぬいぐるみ」

「別にいいもん」

「……なら」

「やだ」

「…………」

「…………」

 しばらくお互い黙っていた。しびれを切らしたのか、折原臨也はハァ、と溜息をつきながら呟いた。

「しょうがないなぁ」

「……何が?」

「正臣君じゃないけど、ちょっと俺のカッコイイ所を見せてあげよう」

 …………。

「結構です。帰りましょう」

「さっきと言ってること、変わってるよね?まぁ、気にしないけど」

 すると折原臨也は100円玉を二枚取り出し、コイン挿入口に入れた。

「あっ……」

 お金……入れちゃった……。何してるんだコイツ……。

「よーし、取れるかなー?」

「べ、別に無理に取らなくたって……」

「あー、話しかけないでくれる?」

「っ……」

 どうして……そこまでして……?

「あーっ!!あともう少しだったのになぁ……」

「そう……じゃあ帰りましょう」

 所詮、こんなものだろう。そう簡単に取れるわけ……

「よし、もう一回だ」

「……へ?」

 気付けば、折原臨也はもう一度お金を入れ、イルカのぬいぐるみを取ろうとしていた。

「ちょ、ちょっと!!そこまでして取らなくていいって!!」

「俺が取りたいんだよ」

「………」

「よーし、その調子だ。落とすなよー」

 クレーンがイルカのぬいぐるみを掴んだ。そして、ゆらりゆらりと揺れながら、穴へ向かって――




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あきゅろす。
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