大方買い物が終わった。おもに服を買いに来たのだが、私が服を選んでいる時に色々と折原臨也がうるさかった。
ズボンを買う時には、「こっちのスカートはどう?」と言ってきた。正直うざかった。折原臨也の言ってくる文句などを全てスルーして、買いたかったものは全て買った。
昼飯も適当に済ませ、今は池袋の街をふらついている。
「今日は俺が奢ってあげるよ。好きな物なんでも言ってごらん?」
「それもう17回聞いた」
「だってさぁ、全然買わないじゃん」
「必要のない物は買わない主義なの」
「ふぅん……遠慮しているわけじゃないのか」
「貴方に対して遠慮する必要がどこにあるの?」
「え?うーん……さぁ?」
「ハァ……」
実際は半分くらい遠慮しているのだが。まぁ、普段でも必要以上に物は買わないからいいか。
適当にふらついてると、一台のクレーンゲームが目に留まった。そこには、大きなイルカのぬいぐるみがちょこんとあった。
……かわいいな。ふわふわしていて気持ちよさそう……。
思わずそこに立ち止まってしまった。そして周りなど気にせず、クレーンゲーム機の中にいるイルカさんを眺めていた。
……触ってみたい。
「あれっ?雪華?何見てんの?」
「…………ふぇっ!!?」
「あっ、もしかして、このぬいぐるみが欲しいの?」
「……はぁ?そ、そんなわけないでしょ?」
「でもさっきからずっとそのぬいぐるみ見つめてたよね?」
「……き、気のせいじゃない?」
「……ふぅん、そう」
折原臨也はニヤリとした。……うっ……嫌なヤツだな。
「じゃあ、そろそろ帰ろうか」
「えっ!?」
「そんなに驚くことかな……?だっていつシズちゃんと出くわすかわからないしさ」