二人は仲が悪いらしい。それでいつも喧嘩しているのか……。
折原臨也を探すのを諦めたのか、キョロキョロするのを止め、私の方を向いた。
「本当に悪かったな。今度マック奢ってやるよ」
「別にそこまで気を使わなくても大丈夫です。できれば傷の手当てをしたいんですけど……」
「ん、じゃあその辺で買うか?」
「代金だけで結構です」
「それでいいのか……?つかいくらぐらいだ?」
「500円」
「そんなんでいいのか?」
「はい。くれるのなら早く下さい」
ぐいっと私は手の平を差し出した。一刻も早く、ここから立ち去りたかったのだ。
「……」
仕方ないと言わんばかりの顔をしながら、平和島静雄は財布から500円玉を取ると私の手の平にのせた。
「これくらいしか出来なくて悪ィな。今度俺と臨也が喧嘩してたら、あんまり近付くんじゃねぇぞ」
「なるべく気をつけます」
「じゃあな」
平和島静雄は手を振りながら、私の前から去った。
気付けば、辺りは元の日常に戻っていた。それはそれでよかった。
あ、でも頭から血が出ているのはあまりよくないかな。包帯買って帰らないと……。