今日は何故か折原臨也と池袋に買い物へ来た。私が服を買いに行こうとしたら、勝手に付いてきたのだ。
勝手に付いてきておいて、勝手にはぐれる。まったく、何考えてんだか……。
「あー、雪華みーっけ!!」
「…………」
もう聞き慣れてしまった男の声が聞こえた。
怒ってない。断じて私は怒ってなどいない。
「今さら来たんですね……折原臨也」
「もしかして、俺が雪華を置いてったこと、怒ってる?」
「怒ってるわけないじゃないですか。何処にそんな理由があるんですか?」
「すっごく顔が引きつってるよ?」
「どうせさっきのも見てたんじゃないですか?」
「んー、半分正解」
「やっぱり……」
どうりで視線を感じたわけだ。
「言っておくけど、俺が見たのは遊馬崎達が君を助けたところからだからね?」
「あっそう」
「あれ?もしかしてイザイザの知り合い?」
折原臨也の姿を見るなり、女の方が話に入ってきた。特に悪い顔もせず、折原臨也は女の問い掛けに答えた。
「ああ、そうだけど?」
「へー、意外だねー!あ、私、狩沢絵理華っていうんだー。雪華ちゃんでいいのかな?」
「ぁ、はい」
「よろしくねー、雪華ちゃん」
「は、はぁ……」
「ちなみにこっちの彼はゆまっち」
「ちょっと狩沢さん!ちゃんと名前で紹介してくださいよぉ!」
「えー、だったら自分で言いなよー」
「どうも、遊馬崎ウォーカーっす。よろしくっす」
「はぁ……」
なんか、変わった名前だな……。
「雪華を助けてくれたことには感謝するよ」
「いいっすよ、別に!たまには三次元の女の子を助けたいっすし」
「……?」
「あー、ゆまっちの言ってることは気にしないで。そろそろ私たちはメイトに行くね。今度見かけた時は声かけてねー!ばいばーい」
狩沢絵理華は遊馬崎ウォーカーを引きずるようにして、私の前から去った。
……なんか、嵐が去ったみたいな感じだな。それよりも……