[携帯モード] [URL送信]

DRRR!!夢[臨也]
 


 ……ちょっと危ないかな?
 相手の様子を窺う。すると、彼はすぐに落ち着きを取り戻したようだ。

「……気にくわねぇが、まぁいいか。あ、そうそう、手前さ、俺と前にも一度、会わなかったか?」

「先日のこと?」

「いや、そうじゃなくて、昔どこかで会わなかったか?」

「!?……そんなことは……記憶にない。私は貴方と会うのはこれが2回目」

「ん?そうか……じゃあ気のせいか……」

 嘘をついた。これが2回目だなんて、嘘だった。本当は―――。
 いや、やめておこう。あの時のことは違う形で忘れないようにしたんだ。

 私が、にんげんを嫌いになった、あの日のことを。

「? どうした?小難しい顔して」

「えっ?」

 急に話しかけられて驚いた。いつの間にか物思いにふけっていたようだ。
 思わず、自分の顔を押さえる。……よし、大丈夫だ。いつも通りになっているはず。

「……っぷ、ぷはっ……っははは」

「っ……なにがおかしいの?」

 急に笑い出した平和島静雄に対し、私はイラッときた。

「いや、悪ィ……なんかよ、手前にもカワイイ所があるんだな、って思って」

 折原臨也と言い、どうしてこうもスラスラと……。

「……〜〜!!か、からかってんの!?」

「違ぇって。だって手前、会った時から無愛想っつーか、無表情っつーか、可愛げがなかったからよ。堅い顔は似合わないぜ?もっと笑えよ」

「!!……う、うるさい!!貴方には関係ないでしょ!!」

「まぁ、そう怒るなって」

 貴方には言われたくない、と言いかけたが喉の奥に抑え込んだ。
 このペースで行くと、平和島静雄を怒らせかねない。落ち着け……落ち着け私……。
 なんとか冷静になって、シェイクを勢いよく吸い込む。が、シェイクはほとんど飲んでしまい、ストローから僅かに残ったシェイクを吸い込む音が聞こえた。

「……」

「……大丈夫か?」

「……全然大丈夫じゃない」

「そ、そうか……。ポテト食うか?」

 平和島静雄がポテトの容器をこちらに差し出す。仕方ないので、一つまみ掴んだ。

「それ……一口でいくのか?」

「んなわけないでしょ」

 手のひらにのせ、一本ずつ口に運ぶ。




[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!