あれほど驚いた日はねぇだろう。俺の攻撃を受け止められるのは、せいぜいサイモンかノミ蟲ぐらいだと思っていたからな。
心配でソイツに近寄った。そしたら、ソイツは面倒そうな顔でこっちを見た。
俺が謝ったら、こう言われた。
「悪意を持って私に投げたら、犯罪じゃないですか?」
ちょっとイラッとしたからデコピンをしてやった。するとソイツはでこを押さえて、少し涙目になった。
そん時、コイツは本当に丈夫なんだな、と思った。
前、他のガキに同じことをしたら、倒れられたからな……。
やっぱ俺のデコピンは強くねぇよな、と思いながら自分のでこにもデコピンしてみたら、小娘に憐れんだような視線を向けられた。そんな変な事したか……?
しばらくすると、小娘が辺りをキョロキョロと見回した。人でも探してんのか?と聞こうとしたら、先に向こうが口を開いた。