……そろそろ終わる頃かな。
とある廃ビルの屋上。自殺志願者に間違われかねないかもしれないな。一歩踏み外したらそのまま真っ逆さまの所に俺は立っている。
「さぁって、事態はどう転がったのかな?」
俺は携帯からダラーズのサイトに繋いだ。
さっきまでクレイジーリッパー関連の書き込みが絶えなかった総合掲示板。今はもう殆ど終わりに向かいつつあった。
『何か急に収まった』
『俺も!ナイフ持ってた奴が急に倒れた!』
『え?え?何?俺助かったの?(・д・`≡´・д・)』
『誰か警察に通報しとけwwとりあえずww』
……うん、いい感じに盛り上がってるというか、収まってるみたいだね。帝人君の方も大丈夫そうだし。
さて。俺は今回の犯人……いや、首謀者って言った方が正しいかな?呼び出してみよう。きっと今までに見たことない不服面で俺の呼び出しに応えてくれるよ。
俺はダラーズのサイトを閉じると、ある電話番号に電話をかけた。
pppp... pppp...
「やぁ、もしもし?俺だよ。言わなくてもわかるよね?君なら」
『…………』
「廃ビル。俺今屋上に立ってるから、わかると思うけど……もちろん、来てくれるよね?」
『……わかった』
「じゃあ、またね」
電話を切ると、携帯をポケットにしまった。
楽しみだなぁ。本っ当、楽しみだなぁ。
しばらく待つと、扉が開く音がした。振り返るとそこには首謀者――クレイジーリッパーがいた。
俺は笑顔で、彼女にこう言った。
「久しぶりだね、雪華」
「…………」
扉の向こうあら現れた雪華。無表情のまま屋上に足を踏み入れる。
「元気にしてた?」
「まぁ、それなりにね」
「ずっと心配してたんだよ?」
「あっそう。迷惑メールや迷惑電話ならたくさん来てたけど?」
嫌味たっぷりに返された。もうちょっと可愛げがあってもいいと思うんだけどなぁ。
「それよりも何の用?」
「わかってるくせに。どうして俺が君を呼んだのか」
「…………」
「素直に正体を明かしたらどう?門田雪華ちゃん。いや、こう呼ぶべきかな?
――クレイジーリッパーさん」
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