人間なんて関係を壊そうと思えばいくらでも壊せるんだ、小さな綻びからね!!醜い生き物だと思わない?」
選挙前の政治家のように両手を広げ、身振り手振りで演説をするかのように、折原臨也は語った。
そんな彼に対し私は溜息をつき、呆れた視線と共に言葉を吐き出した。
「そこまで思うのなら、どうしてにんげんが好きなの?私には理解できない」
「君にはわからない?面白いじゃないか……!!」
「にんげんの醜い姿が?」
「そうだよ。これほど面白いものはないじゃないか!!これだから俺は人間が好きだ!!大好きだ!!人、ラブ!!俺は人間を愛してる!!」
「その神経構造、どうなってんだろうね?」
「もちろん、君のことも大好きだよ。愛してる」
「にんげんとして、でしょ?」
「もちろん。だから俺は、君に人間の素晴らしさを知ってもらいたいんだ」
「嫌だね。私は逆にそれだからこそ、にんげんの醜さを懇切丁寧に教えたい所ね」