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Lapis lazuward
08
「なんだ?」

俺がそう聞くと

「アンタ綺麗な目してんな!」

と検討違いな返答が返ってきた。


はあ?目?

「すげー綺麗な藍色?んーもうちょい明るいか」

ん?なんか、視界が広いと思ったらいつもしている眼鏡がないからか。
ああ、だから目の色をはっきり言い当てられたんだな。

……それにしても、お前を追いかけている生徒会役員の一員だってことに
気づいていないのかこの小うさぎは。


「知り合いにはよく”瑠璃(るり)”色と呼ばれるな」
「瑠璃ってあれだろ、ラピスラズリ!!」
「ああ、良く知っているな」
「俺の好きな人が持ってた好きな石だからな」


にっと、笑う桜嘉はみなが言うように確かに可愛らしい。

その場にいるだけで、花が舞うような気持ちで明るくなれる。

不思議なやつだな。

「あ、なに笑ってんだよー」
「いや、明るい奴だなと思って」
「どうせ、俺はうるさい奴だよ」
「そういう意味じゃなくてな」

可笑しい奴だな、褒めているのに拗ねるなんて。
ああ、本当に可愛い。
これじゃあ、会長が惚れるのもわかるような気がする。

「なーなー、アンタ此処でなにしてたんだ?」

好奇心爛々に目を輝かせて部屋をぐるっと見渡す桜嘉に、そう質問され
特になにをしていたわけでもない俺は

「んー俺の秘密基地ってところ。寝転がっていただけかな」
「秘密基地!!いいなそれ!子供の頃、俺いっぱい持ってたぜ!」

ああ、持っていそうだよお前は。

「すげぇーなぁ。あの扉から手が出てきたときもびっくりしたけど、
俺の体がすり抜けるのも超どきどきした!!!」
「ああ、俺も最初に気づいたときには、凄い感動したよ」

まるで、同じ秘密を共有する仲間に出会えたようなそんな感覚を感じた。

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