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Lapis lazuward
04
「レプス、顔大丈夫か?ごめんな銀慈の奴が手荒な真似して」

男なのに可愛いと形容したくなるようなレプスの顔立ちは、二年前と変わりない。
よく目立つ金茶の髪に、零れそうなほど大きい瞳に、マスカラを付けてもいないのに長く細い睫。
ベッドで擦れてしまった熟れた桃のような頬は、頬ずりしたくなるほどの張りだ。
紅玉(ルビー)を塗りたくったかのような唇は、つやつやと輝いていた。

二年前。
唐突に姿を消したと会長から聞いたときには、一体どうして?と疑問に思うばかり
だった。レプスが仲良くしていた”Loveless,”の連中も口を開かないわけではなく
本当に知らない様子だった。

だから、また会えた喜びで会長も、俺も嬉しさが込み上げていた。

だが、

「……アンタ誰?」

と、冷たい視線で俺を見た小うさぎ(レプス)は、本当に俺を知らないようだった。
まあ、前線であんまり戦っていなかったし。

あの頃俺は、銀慈の髪を真似て短髪の白銀にしていたから気づかないのも
無理がなかったのかもしれない。

黒髪、黒縁眼鏡の完全平凡だからね。
でも、こっちの俺が素なのだから学校でまで飾りたくはなかった。

この学校で認知度低いとは思っていたけど、改めて言われると少し傷つく。
一応、副会長なんだけどね。

「生徒会副会長、天宮 優(あまみや ゆう)だ」
「銀慈?」

少し怒気の篭る声でそういったのは俺の少し後ろで、小うさぎ(レプス)を
睨むように射る銀慈だった。

「げ、銀狼じゃん。アンタまでこの学校にいるのかよ?!
会長が”瑠璃(るり)”の総長だし、”特攻のイチ”や
”奇襲のヒョウ”がいたから何なんだこの学校?!って思っていたら、
まだいるわけ?」

ああ、他にも小悪魔 雷鳴(らいめい)双子兄弟や俺の可愛い”ひなうさくまだトリオ”
もいるな。

「さあ、な」

さらっと銀慈が流すと、つかつかと小うさぎ(レプス)に踏みより
顎を掴んで、ぐいっと持ち上げた。

おお、なんか男らしいぞ親友。

「一二三 夾(ひふみ きょう)が第一音楽室で倒れていたから、お前が彼を助けない
わけがないと思ってね。こっちに来て正解だったみたいだな」

ああ、だから一緒に保健室に来たわけか。
俺と同様にサボりというわけではなく、ちゃんと捜索していたんだな。

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あきゅろす。
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