Lapis lazuward
14
(View:東雲 桜嘉)
『なあ、レプス。
……お前は俺をどんな風に捉える――?』
その問いは、
白銀の髪が綺麗だった、ラピスラズリの瞳を持つ
俺の大好きな人が初めて俺に口を利いてくれたときに
発した言葉だった。
「 」
あの時、俺がどう答えたかなんて覚えていない。
ひょっとしたら俺の言葉はアンタを傷つけたかもしれない。
でも、それは俺の”言葉”。
アンタが傷ついたならいくらでも慰めてあげる。
涙を流すなら、傍で涙を拭ってあげる。
だから、もう一度姿を現してくれよ。
なぜ、今その言葉を思い出したのかはわからない。
けれど、目の前のこの名前がわからなかった人も白竜も、
同じように悲しそうに瑠璃色の瞳を歪ませていたのを覚えている。
大切な思い出と重なった瞳が、不意に閉じられた。
ああ……。
俺が、触ったからだと気づいた。
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