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Lapis lazuward
02
「大丈夫だよ、ちょっと寝不足なだけだから」

そういって、天使の柔らかな金糸の髪を優しく撫でる。


本当は、寝ていた場所が寝ていた場所だから起きてからの心的外傷が酷く、
それが目に表れてしまったのだろうと思う。


まさか、会長が俺を自室に迎え入れて寝かせるだなんて誰が想像できようか。

――いいや、できない。できるはずがない!!


目が覚めて、自分が何処の部屋にいるのかを理解した俺は
隣で寝ている虎を起こさぬように息を殺して自分の部屋に戻り、二度寝をした。

午前中いっぱいまで寝て過ごしたが、生徒会活動による過労が原因だったから
担任に連絡して公欠にしてもらった。


こういうとき便利だよな。生徒会権力は。


あの後、怪我をしていた夾がどうなったのかも
白竜(?)がどうなったのかも

俺は知らない。

会長に聞くべきか、それとも――親友の銀慈に聞くべきかを悩んでいる。



その時、生徒会室の無駄に絢爛豪華な朱色の扉が開き、
銀髪の人物が入ってきたのが見えた。

「おっせぇーぞ銀!みんな自分の分は終わったから、お前も終わらせちまえよー」

「ああ」

真っ先に声をかけたのは、馮河だった。
その声に答えた銀慈は、真っ直ぐに俺のところに歩み寄り


「昨日」


と親友はそこで、言葉を切った。


ぎくり、と肩を震わせた俺は親友の次の言葉を待った。


「どこに泊まったんだ?優」


――……アーメン神様。

笑っているのに、笑っていない親友が怖すぎます。


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