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Lapis lazuward
07
「なんだよビビってんのか?それとも、誘ってる?」
「やめっ」

日に焼けず生白い肌をつつつと撫でられ、そのくすぐったさに体を震わせた。
そして、あろうことかキョウは俺のない胸に手をあててきた。

「ふざけんな、胸なんかないっつぅの!」
「あるだろ、ほら」

そういって、胸の突起を掠めるように、手を動かした。
その瞬間、俺の体は背骨を走るような小さな電流に襲われた。

「っひぁ!」
「感じた?」

また、軽薄そうな顔が近づき、『あ、キスされる……』と思ったが、

「おい、優から離れろ」

という鶴の一声ならぬ、鬼の一声で奴は後ろを振り返った。
そこにいたのは、保健室に行ったであろうと思っていた人物だった。

「会長?」

「お前は、いらん所でフェロモン撒き散らすな」
「お、俺がいつフェロモンなんて散らした?!」
「抱きたいランキングでも万年上位のくせに、失念するな!」

うっ、そうなんだよ。

なんでか知らないけれど、美人でも可愛くもない
どちらかと言うと、まあまあ普通にかっこいい平凡レベルの俺が
中等部にいた頃から3位以内をがっちりキープしてしまっている。

うちの学校は上でも下でも、綺麗どころが人気なのだが、時々俺みたいな
”異端”が混じることもある。

あれか、一部のマニアックな方々の投票なのか?

「優を離してもらおうか、夾(キョウ)」

「やだね。ようやく見つけた”白竜”なんだからな」


え?

”白竜”って、言ったか今。

なんで、その名を覚えているんだ……。


「……なんのことだ?うちの副長は、この学校とは無縁と何度言ったらわかる?」

肩をすくめて、聞き分けのない子供を叱るように会長は少し低めの声でそういった。



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