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Lapis lazuward
01
「お前さ、彼女とかいるんだったら俺の趣味に付き合わずにそっちに行ってくれて構わないんだからな?」

いつも掛けている黒縁眼鏡(相棒)を丁寧に外しながら俺がいうと

「はいはいわかったから早く電源入れなよ」

よく冷えた麦茶を片手にそういうのは唯一無二の親友の銀慈(ぎんじ)だった。



幼い頃から家がお隣さんという関係柄二人で遊ぶことが多く、
成長につれて増えていく友人関係の中でもそれは高校に入ってからも変わらなかった。



「って、お前が持ってきたゲーム全部ホラーじゃん!」

コンビニの白い袋の中に無造作に入れられた数本のソフトをみて俺がそういうと

「優(ゆう)が”今度やってみたい〜”とかって店頭で言っていたから持ってきたんだよ。なに嬉しくないの?」


全然嬉しくない。


ゲームは大好きだが、俺はホラーとかいったものが全般的に駄目だ。
お化け屋敷も、シューティングゲームの怖いやつでも。

その中でも、特に怖いと評判になっているゲームソフトが今目の前にある。

「面白いぜ?零(ゼロ)。特にWiiで出たやつがオススメ」

「ふっざけんなこの野郎ーー!」

Wiiのクラシックコントローラーを投げつけながら俺がいうと、銀慈の手に持っていたグラスにクリーンヒットしてしまった。

「「あ」」

と二人で言うが遅く、手から離れた麦茶は銀慈の大切にしている
プレミアもののTシャツの染みとなってしまった。

「あ〜あ。どうしようこれ」

白いTシャツに広がった茶色い麦茶の染みを見ながら銀慈が
悲しそうに言う。

うう、本当にごめん。

「脱げ!今すぐ脱いで洗ってしまえ!」

銀慈のTシャツの裾を持ち上げて、万歳するようにTシャツを脱がすと
程よく筋肉のついたシミ一つ見当たらない綺麗な銀慈の肌が目の前に広がった。

幼い頃から一緒に風呂に入ったり、プールに行ったりしているから耐性はついているが

・・・・・・長時間も見ていたら、幼馴染の俺でもクラッとしてしまいそうな色気の漂う銀慈の肌を見ているもんじゃないなと

俺は一階の洗濯機に急いで向かおうとした――が


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あきゅろす。
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