短編小説
着々とA
※R-15です。
「ふっ…」
声を出さないように神経を尖らせているのに、鼻から吐息が漏れる。
狭いトイレの個室の中、大の男2人が入り込んでこんなことしてるなんて誰が想像出来るんだろう。
いつもと違う場所と姿勢に、否が応も無く反応する身体が恨めしい。
しかも、今目の前で俺に跪き、勃ち上がった俺の性器を高野さんがくわえている。
邪魔な下着と着衣は剥がされ、今は下半身には靴下と靴しか履いていない。
「ぁ、たかのさん…」
口と手で愛撫され、先端からはちろちろと先走りの汁が出ているはずなのに、高野さんは唾液と絡め、それごと吸い上げて指でこすり上げて…。
「ん?どうした」
ちゅぱ、と唇を離し問いかける彼の目は、あの時と同じだ。
俺を抱いている時と、同じ…。
「高野さんは、しなくて、いいんですか…?」
なんて、普段ならとんでもなく墓穴を掘ってしまうセリフを言うと、高野さんはふわりと笑った。
「今は、お前の番。俺は後で」
と、呟いた唇がまたぬるんっと竿部分を飲み込む。
「あっ…」
天井の高いトイレの中では声が響く。
片手で口を塞いで、もう片方の手は高野さんの頭へ。
高野さんの頭が動くたびに、サラサラとした髪の毛が腿に触れて、それさえもたまらなかった。
「はぁっ…ぁ、あふ…」
裏筋を舌で舐めたり、くびれをなぞったり…。
じれったい刺激に腰が動いて、思わず高野さんの頭を押さえつけてしまう。
「あ!はぁっ、んっ」
これじゃまるで、高野さんの口を使って俺が自慰行為をしているようだ。
倒錯的な高揚感に思わず、
「高、野さんっ…出るっ…」
「…!」
「あっ!ああっ…」
びくんっと性器がはね上がり、かねてから待ち焦がれていた絶頂へといとも簡単に昇り上げてしまった。
「はぁ…あ、も…」
高野さんは俺が射精している最中も唇を動かし、じゅるじゅると吸い上げた。
……精液を出し切って、へなへなとその場に座り込んでしまいそうになる俺を高野さんが掬い上げて抱きしめる。
「……気持ちよかった…?」
「…ト、トイレでこんな事するのが気になってそれどころじゃありませんよ…」
「そっか?お前の、すげぇ出てたけど」
「余計なこと言わないでください」
「可愛気ねーな。さっきまでの自分の顔、お前に見せてやりたい。声我慢するの、可愛かった」
「…!」
「さて、と。仕事もどるか」
「え…?」
「仕事するために抜いてやったんだ。感謝しろよ」
…何だそれ、じゃぁ、今日俺とは仕方なく「してやった」ってことか?!
なんだか、胸がムカムカしてきた…。
扉を開けて出ていこうとした高野さんの服をぐいと引っ張り、唇を押し付ける。
「!?」
一瞬の口付けの後
「今日は、家帰ったら、俺が高野さんを気持ちよく「してやる」んですからね!」
吐き捨ててバン!と扉を開け、ズカズカとトイレを後にした。
高野はというと…
(顔赤いまま上目遣いで目潤ませながらあんな事言われたら、意地でも今泣かせてみたいと思うじゃねーか)
すっかり反応を示しているこれをどうしようかと、ひそかに苦笑する。
終業まで、あと3時間。
定時で帰宅して、今日はゆっくりと可愛がってやろう。
意地悪な笑みを浮かべながら、トイレを後にした。
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リクエストがあったので、続きを書いてみました(・ω・)!
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