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無双☆短編
魅惑の宴(甘凌策→陸)
 
 
「さぁ、孫呉の勝利を祝して!乾杯!」
 
 
 
魅惑の宴
 
 
 
 
満月の夜。
孫呉は戦に勝利し、宴で盛り上がっていた。
戦で活躍した豪傑達が酒を掲げながら勝利を祝う。
 
その中で一人だけ…酒ではなくオレンジジュース。
 
「おい、陸遜。酒飲まねぇーのかー?」
甘寧が盃を片手に陸遜の隣へ座った。
 
「えぇ…飲めないんです」
陸遜が恥ずかしそうに言う。
すると、凌統も陸遜の隣に来た。
「じゃあ、俺が飲ませてあげようか」
「え、遠慮しますッ」
ぶんぶん、と首を振る陸遜。
「せっかくの勝利祝いなんだからさ、飲んじまえよ」
甘寧が盃を陸遜の口元に近付ける。
「ちょ、無理で――むぐ!?」
必死に抵抗するも虚しく、口内に酒が流れ込む。
 
ゴクン。
「飲んじゃった……」
脱力する陸遜を支えながら、甘寧と凌統がニヤリ、と笑う。
 
ドクッドクッ
 
心臓が高鳴る。
体中が熱くなって息苦しくなる。
だが、アルコールとは違う。
――何かがおかしい。
「陸遜ー?大丈夫かよ」
甘寧が陸遜の肩に手を置く。
「――ひゃあんっ」
その瞬間、陸遜の体が過剰に反応した。
「おい、聞いたか?“ひゃあんっ”つったぜ」
「可愛いねぇ〜、陸遜♪」
二人が怪しい目で陸遜を見る。
 
「な…何を飲ませたんですか」
陸遜が自らの体を抱きしめるように守りながら言った。
「媚薬という名の惚れ薬♪♪」
凌統がその薬が入っていただろう空き瓶を見せた。
「ねぇ、可愛い声もっと聞かせてよ」
凌統が空いてる方の手で陸遜の脇腹を突いた。
「――やぁんっ」
出したくもないのに甘い声が出てしまう。
 
ふと、孫策と目が合った。
「孫策…殿!助け…て」
必死に助けを求める。
孫策は陸遜の様子に気付いたのか足早に近付いてきた。
そして…
「楽しそうだな!俺もまぜてくれ!」
えええーーーー……
助けてよ!おい!
声にならない叫びを上げて、陸遜は脱力した。
 
「でもさすがに、こんな場所じゃ、陸遜を脱がせられないねぇ〜」
凌統がつまらなそうに言う。
「どっか移動しよーぜ」
甘寧が提案した。
「俺の部屋使ってもいいずぇー。すぐそこだからな!」
孫策が楽しそうに言う。
 
勝手に話が進められている。
何を言ったって無駄だろうなーと陸遜はため息をついた。
 
 
結局三人は、嫌がる陸遜を強引に孫策の部屋に運び込んだ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
孫呉の夜は長い。

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