占いは信じましょう(神威)




雨が降り出しそうな天気だっていうのに傘も持たずに買い物とか信じられない、居候の身としては仕方がないとは思うけど買ってくるものがケーキの材料と酢コンブときたものだから苛立つのも仕方ないと思う。酢コンブはいいんだよ、神楽ちゃんからの頼まれものだから。でもね、ケーキの材料は買いに行くの嫌だったんだよね、どうせ私に作らせる気満々だろうし。今日の運勢最下位だったもんな、占いって当たるんだね……ピンクのものに注意っていってたから気をつけよう。


「ったくあの天パ人をパシリに使いやがって、帰ったらぶん殴ってやる……」


ぶつぶつと文句を言いながら帰り道を早足で進む、途中誰かに声をかけられたりしたけれど今日は無視、どうせ知らない人だろう。それに今話してたら絶対雨に降られるし八つ当たりしちゃいそうだからしょうがないよね。


「無視するなんて酷いなー」


殺気がして振り返ったらピンク色のみつ編みが見えた、それにこの声この間知り合ったばっかりの神楽ちゃんのお兄さん。手についてる朱いものは血じゃないことを願いたい限りだ。


「え、っと……神威さん、でしたよね?私に何か御用ですか?」

「敬語はナシって言っただろ?次つかったら殺しちゃうぞ」


なんて横暴なんだ、神楽ちゃん苦労してたのかな。いやそれよりもこんなことで殺されちゃ堪らない、可愛い顔でニコニコと笑っているくせに中身暴君だな。


「わかったよ、で、何か用なの?銀さんは今よろず屋にいるけど?」

「今日は凜に用があるんだよ、俺とヤろう」

「は?」


今聞き間違いじゃなければ“ヤろう”と聞こえた気がしたんだけど……いや、“殺ろう”かな?どっちにしろ御免被りたい。特に後者だった場合私の死は確実だ。
とにかく逃げようと方向転換しようとしたらガシッと音がして首ねっこを掴まれた。こういう時は普通腕だろう!!しかも首しまってるから、このままじゃ御臨終しちゃうって!


「神威苦しいって、逃げないから離してー!」

「逃げたら殺すからな」


必死で頷いたら離してもらえた。ヤバイヤバイ、一瞬お花畑が見えたよ。ちらりと神威の方を見るとさっきよりも笑顔だった。ごめん銀さん、神楽ちゃん、新八君、私帰れないかも知れない。ズルズルと神威に引きずられながら私の帰りを待ってるであろう銀さん達に謝った。やっぱり今日は厄日だった、それから、占いは当たる。今度から占いを馬鹿にするのはやめよう。


(馬鹿アニキが凜を連れて来たアル!凜に何したネ!)
(何ってナニだk(オイィィイ!!ふざけんなよ俺だってまだシたことな)
スッパァアン
(あんたら下ネタばっかじゃねーか!!)




あとがき

神威さんLove!!彼のアンテナが気になります(笑)
吉原篇最高!

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あきゅろす。
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