狂おしい程愛してる(西)
「あのー……スペイン?」
「ん?どないしたん?」
いつもの見慣れた筈のスペインの笑顔が、今日は何故か怖いと感じる。多分今の状況も関係してるんだろう。
「えっと、その……どうして私は押し倒されてるのでしょうか?」
「リンが他の奴にばっかかまっとるからなぁ……誰のもんかわからせたろおもて」
―――怖い
さっきまでの笑みを消して真剣な表情で話すスペインに正直逃げたくなったが、私にも意地がある。自分の恋人から逃げるなんてしたくない。
「何言って…」
「なぁリン、リンは誰が好きなん?」
ギリッ…と強く握られ、両手が痛んだ。
「私はスペインが好き、なんでそんなこと聞くの?」
「言ったってリンにはわからへんよ」
「言って」
私が強く睨み返したら、はぁっ…とスペインはため息をついてから話し始めた。
「……リンが他の奴と喋っとるの見ると嫉妬通り越して殺意がわくんや…リンにもそいつにも」
「スペイン…」
「それにな、リンを一生閉じ込めておこうとも考えた事さえあるんやで?好きすぎてどうしたらええかわからんのや」
そういって辛そうな顔をしたスペインを抱きしめて、耳元で言い聞かせるように伝えた。
「スペイン、大丈夫だよ」
「何が…」
「私はスペインがいなければ生きていけないもん。監禁でもなんでもすればいいから…」
スペインがそうしたいなら出来る限り叶えてあげたい。私は今までスペインの笑顔に何度も救われてきたから。
「リン…」
「好きだよ、スペイン」
「俺も好きや」
いつもの笑顔に戻ったスペインからは、先程まで感じていた恐怖心は消え失せていた。やっぱりこっちの方がスペインらしくて私は好きだけど、どんなスペインでも好きでいられる自信が私にはあった。だって私はスペインが好きでスペインも私が好きだって事実は変わらないのだから。
(とゆーわけで一緒に住もか)
(どーゆーくだり!?)
(え……そーゆー話しとったやん)
(嘘だぁあぁ!)
あとがき
擬似スペインですみませんでした、親分の口調イマイチわからなくて…
そして黒スペ苦手な方には申し訳ない話でしたが、葉音は腹黒キャラが大好きなので他のキャラにももれなく黒属性がついてきます。
でもそこまで黒くないですよね?
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