優しさには裏がある(露)

ここはロシアさんの家、本来ならば私は日本にいるはずなのだけれど何故かここにいる。
しかも今は日頃の仕事のせいか風邪をひいた状態だ。

「あー……頭痛い……でも頑張らなきゃ…」
「凜さん大丈夫ですか?風邪ひいたなら休んだ方がいいですよ」

ロシアに頼るわけにもいかなくて無理をしながら仕事をしていたら、リトが心配そうに尋ねてきた。自分も大変なのに私の心配をしてくれるなんてやっぱりいい人だ。でもここで根をあげる訳にはいかない。

「リト……大丈夫だよ、平気平気」
「無理しないで下さいね?」
「うん」

リトと別れて仕事を続行していたら熱まで出てきたらしく、立ってるのも少し辛くなってきた。

「はぁ……ヤバイ、くらくらしてきた…」
「凜ー」
「!……何ですか?ロシアさん」

ロシアさんに弱っているところを見せたら何されるかわかったもんじゃない。私は気力を振り絞って笑顔をつくった。

「えっとね、日本君から君にって、はい」
「え?あ、ありがとうございます?」

ロシアさんが私にちゃんと手紙を渡すなんて珍しく(いつもは勝手に燃やそうとしているところを私が必死に取り返すか、リトやエストニア経由で渡されるので)、本気で驚いてしまった。

「あはは、変な顔ー」

コ ノ ヤ ロ ウ!
こっちは死ぬ気で仕事してるっていうのに本当に人をイラつかせるのが得意な人だな。

「………大丈夫?」
「何がですか!」
「風邪ひいてるんでしょ?」
「そ…ですけど」

さっきの変な顔発言のせいでいつも以上に信用ならない。それにロシアさんが素直に心配するわけない、何かきっと裏があるはずだ。と身構えていたらロシアさんが近づいて来たのでとっさに目をつぶって身構えたらフワッと体が宙にういた。恐る恐る目を開けてみるとロシアさんが私を抱き上げていた。

「え!?」
「今日は休んでいいよ」
「ロシアさん……ありがとうございます」

ロシアさんにも人を心配する気持ちがあったんだ、と関心したと同時に今までの認識を見直してみようと思った。
いつも今のロシアさんみたいだったらいいのにな、と思って目を閉じてもたれ掛かったら、

「治ったら今まで以上に働いてもらうからね」

と、少しでもロシアさんを見直した自分を消したくなるような一言が聞こえた。

「いゃあぁー!」

やっぱりロシアさんはロシアさんで、もう二度と優しいロシアさんには油断しないと誓った。
でも少し、ほんの少し、かっこいいと思ったのは秘密だ。そう、私の心の中にしまっておこうと決めた。




あとがき

ロっ様は可愛いです。口調がよくわかりませんが………
それよりも国って普通に風邪ひくんですかね?経済うんぬん抜きにして。

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あきゅろす。
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