次会う時は戦場で(立)

はぁっ、と息を吐けば真っ白な地面と同じ白い息が出て、今年も冬がやってきたんだとわかる。
彼を待ちながら今にも雪が降りそうな空を眺めていると、雪を踏み付ける音がして振り返ると会いたかった君がいた。

「……久しぶりリト」
「うん…久しぶりだねリン」

一年ぶりにあったリトは何も変わってはいなかった。ちょっと困ったように笑うところとか男の人にしては少し長い髪とか。

「ロシアさん相変わらずだねー私もロシア領になっちゃおうかな」
「リン!?」
「そうすればリトと一緒に居られるのにな…」

私のロシア領発言にリトは本気で驚いたらしく、手に持っていたかばんをドサッと落とした。いつも顔を合わせれば口論していたから当然の反応だと思うけど、嫌いなロシアの領地になってリトと一緒居にられるんだったら私は我慢してロシア領になることを選ぶけどね。
私がそんなことを考えていたらリトが私の両肩を掴んで真剣な目をして見つめてきた。たまにみせるその瞳が私は好きなんだよ。

「……いつか必ずロシアさんから独立するから…それまで待ってて…リン」
「うん…ずっと待ってるよ」

だって私はリトのことが好きだもの。

「ありがとう…」
「大好きだよリト」
「……俺も君の事好き…ううん愛してるよ」
「うんっ…」

不覚にもその言葉に泣きそうになった。でもリトも頑張っているんだから私が弱音を吐くわけにはいかない。

「……それじゃ…またね」
「…また…ね」

離れたくない気持ちを押し殺してリトを見送った。リトの姿が見えなくなるまでずっと。
姿が見えなくなっても暫くの間その場に立っていたら、ふと冷たいものが頬に触れ、空を見上げると雪が降ってきていた。
貴方と離れた日にも雪が降っていたね。雪をみると私が貴方を思い出すように、貴方も私を思い出してくれますように。そう願って一歩雪に踏み出した。雪に残った足跡は雪で消されてしまうけど私の思いは消えないから。


『次会う時は戦場で』






あとがき

連続でシリアス!(なのでしょうか?)
葉音自身はシリアスよりギャグの方が好きなのですけどキャラ崩壊が酷くなるのでどうしようか検討中です
書けたらアップしたいです

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あきゅろす。
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