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白く濁ったそれ(一土小話・下ネタ気味注意)

白濁が飛ぶ。

「…またやっちゃった」

一之瀬が苦笑する。

「あーあ…コレ落ちにくいのに」

土門は困ったような顔をしたが、彼の口元にも同じように白い液が滲んでいる。

「土門、口についてる」

土門は頬を少し赤らめ、近くにあったタオルを手繰り寄せた。

「…舐めちゃえばいいのに」

一之瀬がぼそりと呟く。

「だって苦くて…」

すこしツンとする、と土門は眉間に皺を寄せたが、一之瀬は口を尖らせる。

「俺は平気だけど」
「…俺には無理なの。」
「そう?俺、この味好きだ」
「お前、アメリカに長くいたから色々と許せるんじゃないか?」

オープン、っていうか何というか…と土門は呆れたように呟いたが、一之瀬は

「だってさ、土門と同じものを口に含んでるんだよ?なんかちょっと嬉しいじゃん」

と、柔らかく微笑む。

「お前な…!」

そんなこと言って恥ずかしくないのか、と言うと一之瀬は別に、と言って再び笑った。
そして、そういえばこいつは昔からストレートな奴だったな、と気が付く。
まぁ結局のところ、自分は昔から一之瀬のこんなところが好きなんだろう。
じゃあそれなら仕方ないか、と土門は半ば諦めながら微笑みを返した。


そのラベルには
【デンタルクリーン ワサビ味】


fin


2010/2/12


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何 が し た か っ た ん だ ろ う

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あきゅろす。
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