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62話で円堂が暴走した時こうなってたらいいな!っていう話(円←豪)
ジェネシスとの最終決戦。
一点先制されて、焦っていたのかもしれない。

実力がないから脱落していったーー
"無用"

吉良がそう言った途端、円堂のストッパーが効かなくなった。

「ふざけるな!弱いからじゃない!!」
「あいつらは弱くない!絶対に違う!俺が証明してやる!!」
円堂の声がグラウンドに響く。
いつもの明るい声は一変していた。
とても怒っていた。
…とても悲しそうに見えた。

「よこせ!」
そう言ってボールを奪おうとする。
ちがう、ちがう。

「円堂!!」
今度は俺の声がグラウンドにこだました。
ひんやりとした空気。
こんなの、

「こんなの、お前が大好きなサッカーじゃないだろ!!」
鼓膜を通して聞こえる自分の声は、とても悲痛な響きをおとした。

「ご、豪炎寺…」
一之瀬の呟きが微かに聞こえた。

俺は静かに歩みよる。
お前が昔、俺にしたように。

円堂の前に立ち、俯くお前の手を引く。
呆気なく前に倒れる円堂を抱きすくめた。
いつもの円堂の匂い。落ち着く。
「ごうえん…じ…」
ぎゅっと、強く。
同時に、ユニフォームの肩が濡れるのを感じた。

ほら、悲しかったんだろ?
そんなの分かってる。
仲間思いのお前だから、

だから、お前が大好きだ。

「悔しいのは分かる。でも、俺をひきつけたお前のサッカーはこんなもの
じゃない!」

腕の中から解放すると、円堂は瞳を涙で濡らしながらも、笑った。
その顔は今まで見たどんな表情よりも綺麗で力強かった。

「さんきゅ、豪炎寺」
ポン、と肩を優しく叩かれる。
そこにだけ温もりが残った。

絶対、大丈夫だから。
お前には皆がついてるから。

だからーーー
お前の好きな"サッカー"をしよう。



fin


2009/12/30


ーーーーーー

…いつの話?

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