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2011/1/10・円豪の日記念 狂おしいほど(円豪/微エロ)

「入って良いぜ!」
「ああ、ありがとう」

久し振りに入った円堂の部屋は
前回来た時と全く一緒のレイアウト、
そしていつも無意識に嗅いでいる彼の匂いに包まれており、
豪炎寺は自然と自分の心が落ち着くのを感じた。

冬真っ只中だというのに
窓の外では太陽が照り輝いているようで、
その証拠にカーテンの隙間からは黄金色の光が零れ落ちていた。

「冬なのにあったかいなんて不思議だな」
「ああ」

暖房をつけているというのもあるが、
それでもやはりいつもより気温が高い。
春なのではないかと錯覚するほどの陽気の中、
床にぺたんと座り込んだふたりは顔を見合わせて微笑む。


「んー…っと…」

少し迷ったそぶりを見せた後
円堂は先程とは違う真面目な顔でじっと豪炎寺の目を見つめ、
そして両手で彼の柔らかな頬に触れる。
その強張った表情とこわごわとした指先を感じ、
豪炎寺の心臓が跳ねた。
円堂の顔が遅いような早いような微妙な速度で近づいてくる。

そしてふんわりとした唇と唇が触れ合った。
その柔らかさを確かめるように
円堂は何度も角度を変えて、何度もくちづけた。

「…っ…!」
円堂の舌が豪炎寺の上唇の表面をなぞった。
気持ち良いようなくすぐったいような、
よく分からない感覚にぴくんと身体が跳ねる。
上唇の次は下唇の表面、やがて口内まで侵食してきたそれに応えようと、
豪炎寺は自らの舌を動かした。
お互いの舌と舌が触れ合い
豪炎寺の身体が先程よりも大きく上下した。
少し後ずさった彼を逃すまいと
円堂は更に深くくちづける。

「ん…っ」

豪炎寺の喉から漏れた小さな声と大胆な水音が
部屋に反響して消えていく。

何度も何度もそれが続いた後、
ようやく唇を離した円堂は豪炎寺の胸に顔を埋め、
そのままもたれかかった。
その重みに耐えきれず、
ふたりの身体はフローリングの床に打ちつけられる。
部屋の白電球が覆いかぶさった円堂の身体によって遮られ、
豪炎寺の視界は少しだけ暗くなった。

「豪炎寺」


円堂の少し掠れた低い声が頭の中に響き渡る。
この妙に色気のある声はこういう時にしか聞けない。
とどのつまり、豪炎寺だけが聞ける声なのである。

「好きだ」
豪炎寺の目を真っ直ぐ見据えながら
低い声でぼそりと呟いた。

彼の熱っぽい目の中で光がゆらゆらと揺れていた。
いつも皆が見ている明るくて活発な彼とは反対の、
ダークで激しさを孕んだその瞳を見ると
胸がどうしようもなく苦しくなる。

今すぐ彼に自分の全てを委ねてしまいたかった。


豪炎寺はゆらゆらと揺れる円堂の瞳を見て、
おそらく自分も同じ顔をしているのだろうと思いながら、言った。


「俺も」



そう呟くとともに、
自分の上にある彼の身体がゆっくりと動くのを感じた。


Fin


2011/1/10


ーーーーーーー


祝・円豪の日!
ほのぼの甘々にするつもりが
ダーク微エロになってしまいすみません…
円豪書くのは苦手だけど、大好きだよ(^3^)
これからもラブラブなふたりでいてください。


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あきゅろす。
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