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2次創作
終わらない夜7(完結編)
『幸せは長続きしない・・・すべての物に終点があるように、別れを告げる・・・

同じ終点を迎えるのであれば、幸せなラストは選ばないだろう・・・

その幸せが崩れさる瞬間に怯えながら生きるのは、辛いから・・・

私は、いつまでこの戯曲を演じ続けなければならないのか・・・

この壊れた物語は、どこへ向かうのか・・・』



静かな夜・・・風さえも吹き荒れるのを躊躇うほどの・・・

嵐の前はこんな感じなのか・・・?

巫女の口元だけが、冷たい夜をあざ笑うかのようにあやしく緩む。

「くすっ・・・あなた・・私と戦う気なの・・・?」

巫女の口調からは、余裕の表情が見える。

「違うわ・・・」

私は、対照的に穏やかな口調で話した。

「・・・・おまえを・・・殺す気でいるのよ・・!!!!」

再び巫女に爪を立てる。

「単調な攻撃ね・・・そんなので・・」

“チリッ”

爪の先に暖かい感触があった。

巫女の頬には紅い筋が出来ていた。

「なるほど・・・相手は、吸血鬼だったわね・・・!」

巫女は攻撃を受けたが、余裕の表情は消えない・・

「そうよ・・・私達は、人間よりも動体視力も運動能力も高い・・・次は、首に風穴を開けるわ・・!!」

そうだ・・人間1人を相手にするなんて造作もない・・・

「じゃあ、吸血鬼には・・・こんなことはできるかしら・・・?」

巫女の言葉が途切れる前に再び切りかかる。

“ガッ”

やはり・・この巫女は眼がいい。

吸血鬼ほどではないにしろ・・私の動きを見切って防いだ・・

だが、それが人間の限界・・・

ノーモーションで身体の方向を変え、巫女の懐に入った

「死ね!!人間!!!!」

私の手が、巫女の首を捉えたその時・・・・

突然、巫女が消えた・・・??

「えっ・・・」

私の手は、空を切る。

「怖いわね・・吸血鬼は・・・」

後ろで憎々しい笑みを浮かべた影があった。

「なっ・・どうして・・?」

一瞬、何が起こったか分からなかった。

「仕方ないわね・・・今度は、もう少しゆっくりやってあげる・・・」

「ふざけるな・・・!!!」

常人ではありえない加速・・人間ごときが避けきれるはずがない・・

さっきよりも容易に巫女の懐に入る。

(捉えた・・・)

だが、再び私は、空を切った・・いや、切らされた・・

「ど・・・どこに・??」

すると、突然、私の首筋に冷たい感触が・・・

「なっ・・・」

巫女が私の背後にいて、剣を突き立てていた。

この短時間でどうやって・・・

「そうか・・・“無時間移動”か・・・・・!」

「ご明察・・・さすがの吸血鬼にもできないでしょう・・?」

“無時間移動”・・・時間軸に拘束されず、自由に空間の移動ができる。

だが、理屈は分かっていても、実際に使っている者を見るのは初めてだ・・・

「なるほど・・・咲夜でも勝てない訳だ・・・」

「さて・・・決着はついたわ!吸血鬼さん・・・これ以上抵抗すると、容赦しないわ・・・」

だが、まだ負けた訳ではない。

私は、一瞬のスキをついて、巫女の胸に爪を立てた。

「敵の懐に入ると自分もリスクを負う・・・・」

そして、再び巫女は消えた。

次に現れた時には、無傷だった。

「ひどい事をするわね・・防御符がなかったら死んでいたわ・・・今ので半分壊れたじゃない・・・」

「人間ごときが・・・図に乗るな!!!」

私は、翼を広げ・・空中から奇襲をかける

「空中は私のテリトリーだ!!人間に追いつけられるものか!!!」

地上とは違い、人間の行動範囲は限らえてくる・・・

何度もフェイントをかけ、巫女にスキができた

「私の勝ちだ・・・」

勝利を確信し巫女に手をかけた

すると、再び、巫女が消える

(ふんっ能のない・・・次に現れた瞬間に殺す・・・)

私が、巫女の現れる瞬間を待ち構えていると、突然、地面に叩きつけられた。

「ぐっ・・・なんだ・・??」

上を見上げると、巫女が空中に立っていた。

「バカな・・なぜ・・?」

巫女は、ため息をついて答えた。

「無地間移動は空間を司るもの・・・高さにも制限はないわ・・」

こいつには、死角がない・・・どうすればいいのか?

「わかったでしょ・・あなたじゃ私に勝てない・・・もう諦めなさい・・」

今まで余裕を醸し出していた巫女の口元からは、笑みが消え、哀れむ視線さえ感じる。

「黙れ!!!貴様等になにが分かる!?居場所を奪われ・・・命を狙われた苦しみが分かるのか!!!貴様等のような人間が身勝手な正義のために私達は迫害され続けてきた!!

その上・・・フランにまで手を出そうなんて・・・」

本気で加速をする

「殺してやる!!!!!!!」

巫女の心臓目がけて爪を立てる

だが、再び無地間移動・・・

“ザクッ”

私の爪が、巫女に届いた

(っつ・・右手をかすったわ)

巫女は再び無地間移動をする

“ザシュ”

今度は、左手・・

(なんで・・移動する先が読まれている・・・)

「なぜ・・・私の移動先が分かるの・・・?」

風向きが一変した。

「さあ・・・・?」

“ザクッ”

次は、首筋

徐々にその誤差は修正されていく

(なぜ・?相手が吸血鬼だから・・?まてよ・・・最初は、わざわざ、両手を狙ってきた・・・何のために・・?・・・・・そうか!!)

冷たい夜風に吹かれ・・・気付いた。

「あなた・・・私の血の匂いで、居場所をつきとめているのでしょ・・・?」

今度は、私に笑みが灯った。

「よくわかったな・・感覚を研ぎ澄ませただけだ」

私の優勢が続く

「だが、わかったところでどうすることもできまい・・次の移動で死ぬことになる」

そういって、最後であろう奇襲をかけた

そして、巫女は消える

(さて、最後は、どこに行くか??)

巫女の血の匂いを感知した。

(死ね!!これで最後だ!!!)

そして、巫女の首に爪を立てた

(終わりだ・・・)

しかし、予想に反して、巫女の姿はそこにはない。

(バカな・・・・)

そして、足元から力が抜け始めていた。

見ると、巫女が私のみぞおちを殴っていた

「ふ〜〜あぶなかったわ・・・」

「何をした??」

すぐには、理解できなかった

「はぁはぁ・・・・無地間移動は・・・・連続でできないとはいってないわ・・よ・・・・・身体への負担が大きいけど・・・」

巫女は、あの状況下で、二重無地間移動をしていたようだ・・・油断した。

「クソッ・・・人間にやられるとは・・・」

「安心して、殺しはしないわ・・・私の用があるのは、この奥・・」

フランの部屋があるところだ。

「やめろ!!!フランに手を出すな!!!!」

(あれっ・・・・前にもこんな状況があったような??)

「私の仕事は、幻想郷の秩序を保つこと・・・だから、ここで引き下がる訳にはいかない」

ダメだ・・・・身体に力が入らない・・・

すると突然・・・・・

「きゃぁ〜〜」

夜の静寂を破ったのは、私の妹だった

「フラン・・なんでここに来たの!!!」

「外で大きな音がしたから・・・・それより・・に・・人間?」

フランは、ただただ立ち尽くしている。

「見つけた・・・幻想郷の秩序を乱す者・・・」

「あ・・・あなたは・・・誰・・・?」

「私は博麗 霊夢、幻想郷を管理する者・・・そして・・・あなたに用があるの・・・」

巫女は、フランに近づく・・・

「フラン・・・逃げて・・・!!!!」

「あっ・・・・あっ・・・・・・」

フランは動けない

そして、巫女の剣が怪しく光った・・・

「やめて!!フランに近づかないで!!」

そして、巫女は、無時間移動で、消えた

次の瞬間・・・・

鋭い音と共に肢体を剣が貫いていた

「貴方に何の怨みもないけど・・・・悪く思わないで・・・」

巫女の剣は、紫の髪を真っ赤に染めた。

「あっ・・・・あなた・・」

私は、後ろからフランを抱きしめていた。

刺されたのは・・・・・・・・・・・・わたし・・・・

「だい・・・・じょう・・・・ぶ・・フラン・・・?」

私の腕の中でフランが震えている・・・・

「なんで・・・・どうして・・・私のために・・」

「あな・・・・た・・・は・・・私の・・・大切・・な・・妹だ・・・もの」

フランの体温が伝わってくる・・・私が冷たくなっているのかな・・・?

「いや・・・・死んじゃいやだ・・・」

私は、フランの髪を撫でながら言う

「ふふっ・・・フラン・・・泣か・・・ないで・・・・」

不思議と私は満足した気持ちがあった・・・

あの時の後悔が未だに残っていたのかもしれない・・・

「約束したじゃない・・・・終わったら、私に話してくれるって・・・約束したじゃない!!!」

フランの大粒の涙が、暖かかった・・・

「・・フラン・・・昔・・みたいに・・・笑って・・もういちど・・私を・・・呼んで・・・・」

か細い声を必死に紡ぎだして、フランに伝える。

「お・・・・おね・・・さ・・ま・・・」

フランは、頑張って応えようとする・・・

「おねえ・・・・・・おねえさま・・・・・・おねえさま!!!」

あぁ・・あの頃のフラン・・・明るくて、元気で甘えん坊で可愛い私の妹

「あ・・りが・・・と・・・フラン」

私の意識が遠のいていく・・・

「やだ・・・おねえさま・・・おねえさま!!!!!!」

フランの叫び声を最後に・・・・私は、意識を失った・・・・



###########

「咲夜・・・早く〜〜〜」

「待って下さい・・・フラン様」

春風の舞う季節・・・淡い香りは金色の髪をなびかせている

「もうっ遅いよ・・・咲夜〜」

「フラン様が速いんですよ・・・」

野原を駆け回る少女がそこにいた。

「あっ・・・・フラン様・・ありましたよ・・お探しの花が・・」

「わ〜〜ホントだ」

花を摘んで、笑う。

「その花が好きなんですか・・・?」

「うん・・・おねえさまが大好きな花だから・・・」

「そうですか・・・」

博麗 霊夢が言った言葉を思い出していた

{あなたの力が安定し始めている・・・あなたは幻想郷にとって危険な存在だけど今は、様子を見た方がよさそうね・・・その吸血鬼さんのためにも・・・}

そう言った後、おねえさまの傷を魔法で治してくれた・・・だけど・・・

「あのあとのことはあまり覚えてないんだ」

「レミリアお嬢様も一緒に来られればよかったのですが・・・」

おねえさまは、戦いの後遺症でまだ目覚めない・・・・

「いつか来れるよ・・・・絶対・・・絶対だよ!!」

「ええ、来られますよね・・・・・」

「さ〜て・・・みんなが待ってるから、帰ろう!」

「はい・・・」

いつになるか分からないけれど・・・またみんなでここに来よう!!

夜は必ず明けるし、明日になれば辛い事も乗り越えられる・・・・



待っててね・・・・世界で一番大好きなおねえさま(人)・・・





はじめまして・・・または、いつもありがとうございます。
制作者のながせです。
ご愛読いただきました「終わらない夜」は、今回で最終回となりました。
始めは、四苦八苦して、最後まで書き続けることができるのか大変不安でした。
しかし、このホームページに遊びに来て下さる方をはじめ・・・たくさんの書き込みをして下さる方々のお陰様で終焉を迎えることができました。
お楽しみ頂けたのであれば幸いです。
さて、いつになるかは分かりませんが、この物語の続きも一応考えております!!!
しかし、私の駄文にこれ以上皆様を巻き込むのは申し訳ないと思っている次第です。
このホームページを創っているのは、他でもない皆様ですので、皆様のご要望により執筆の方を再開したいと思っております。また、是非、感想を掲示板に書き込みしてくださいませ!!
では、機会があれば、また、この世界でお会いしたいと思います。


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