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2次創作
終わらない夜3
『正義とは、常に正しいとは限らない。

それは、人間の数だけ別々の正義があるからだ。

例え理不尽な思想であっても、大多数の人間が認可すれば、それは、正義として認められる。

生き物の命を奪うことや傷つけることでさえ・・・世界は歪んでいる。

そんな世界に愛想を尽かしたから罰が下ったのかもしれない・・・』




「お姉さま〜〜そんなに・・見ないでよ〜〜」

「だって、フランが可愛いんだもの・・」

私は、フランの顔をじっと見つめていた。

顔を真っ赤にして恥ずかしそうだ。

「うぅ・・・そんな恥ずかしいこと言わないで〜〜」

フランは、そっぽを向いて私の視線から逃れた。

「ねぇ・・ちょっと・・フランてば〜」

私がフランの正面に行くと、又、フランはそっぽを向く、それの繰り返し。

「ふ〜ん・・・そっちがその気なら・・」

私は、フランの背後からフランを抱きしめた。

「えっ・お姉さま・・・!!」

フランは一瞬“ビクッ”と震え、不安そうな声で言った。

「フラン・・捕まえたわよ〜〜どうする?」

完全に勝利を確信し意地悪く笑った。

「もう、お姉さまの・・・いじわる・・」

フランの瞳は、うるうると潤んで吸い込まれそうだった。

「フラン・・大好き・・・よ」

真剣な眼差しで、だけど優しく微笑んでそう言った。

「私も・・だいすき・・・だよ」

よく聞き取れなかった。

「もっと大きな声で言って・・・」

フランの耳元で囁いた。

「お姉さま・・大好き・・・」

フランからほしかった言葉をついに手にした瞬間だっ
た。

うれしくて、泣きそうだった・・

「ありがとう、フラン・・・うれしいわ」

私は、涙をこらえて、その言葉だけを紡ぎだした。

ここが、どこだか分からない。

だけど、フランがいるだけでそんなことは、どうでもいい。

「フラン・・ずっと一緒にここにいましょう・・・」

何もかも忘れて、何も考えなくてもいいように・・

「う・・・うん」

しかし、フランの返事は、どことなく寂しげだった。

ズキッ・・・ズキッ・・・

まただ、胸に何かが閊(つか)える・・まるで、何かを訴えているかのように・・・

それが何なのか考えていると、玄関で物音がした。

「んっちょっと見て来るわね・・」

玄関まで行くと、いきなり扉がぶち破られた。

だが、それ以上に信じられない光景が飛び込んできた。

「どっどうして・・・・」

恐怖で体が動かなかった。

「貴様が、この屋敷に棲む吸血鬼か!?」

10人はいるであろう人間が私の前に現れたのだか
ら・・・

「なぜ・・・人間がここに??」

「貴様は、この世界に居てはならない存在、我々は、討伐を命じられた」

その人間達は、剣を抜き、私に襲いかかってきた。

だが、吸血鬼は、動体視力がよい。恐怖で動くのが遅れたが、剣を避けるのは、造作もなかった。

だが、次の瞬間、鋭い音と供に腹部に痛みが走った。

「えっ・・・何?」

見ると、ドレスが血で染まっていた。

「やはり、吸血鬼の目でも銃は、避けきれないか」

人間は、鋭い音を出し煙を出す物を握っていた。

何が起きたか分からない。

又、痛みが走る、今度は、胸だ。

「くっ人間、なぜこんなことをする」

力が入らなくなり、その場に倒れこんだ。

だが、意識はある。

「貴様等、吸血鬼は、人間に害をなすからだ、我々は、正義のためにやっている」

人間は当然のようにそう言った。私とフランが何をした?人間を襲ったことなどない!

そうだ、フラン!!

「情報によれば、もう1匹、吸血鬼がいるようだが・・・?」

「やめろ!!フランに手を出すな!!!!!」

私は、必死で叫んだが、力が入らず立ち上がれない。

人間達は、奥の部屋まで進んでいった。

「誰?何するの?止めて!!いやっ来ないで!!!!いや〜〜〜〜〜・・」

その後に、鋭い音が2回聞こえた。

「フラン!!フラン〜〜!!!」

私は、なんとか気力で立ち上がり、奥の部屋まで、歩いた。

だが、様子が何か変だ。

「なぜだ?なぜ効かない?この化け物め。ぎゃぁ〜〜〜」

“グシャ”という鈍い音がこだまする。

1つではない。

「止めろ!止めてくれ!!」

何かが飛び散る音も聞こえる。

何が起こっているんだ?

「くそっこの吸血鬼が〜〜〜!!」

その声の後“グシャ”という音を最後に音がきこえなくなった。

ようやく、部屋に着くと、フランが立っていた。

「フラン・・・よかった・・無事だったのね・・」

私がフランをみると・・・

「フラン・・どうしたの?それ?」

フランの手は、血に染まり、部屋中も血の海だった。

そして、無残に切り裂かれた人間達の死体が横たわっていた。

「お姉さま・・私・・・私・・・」

フランの手は震えていた。

「フラン・・」

私が近づこうとすると、

「来ないで!!」

フランは、私を睨みつけたまま、そう言った。

「ほら、見て、私の手・・・こんなに汚れているんだよ・・・こんなに醜いんだよ・・・あはははは」

フランは、笑っていた。

「フラン・・落ち着いて・・お願い」

ズキッ・・・ズキッ・・・ズキッ・・・

胸に閊(つか)える物、ようやく思い出した。

この屋敷は、私とフランが人間の世界で暮らしていた場所だ。

これは、夢でも幻でもない。

私が封印してきた過去だ。

間違えるはずがない、



だって、この日からフランは、変ってしまったのだから・・・



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