「お菓子くれなきゃいたずらするぞー」 「は?」 「お菓子くれなきゃいたずらするぞー」 「おまえなに言ってんの?」 「お菓子くれな」 「だからよ、そーじゃねェよ!」 「じゃあなによー」 なにがしたいんだろう、こいつは。朝からだるいってのに今日も学校でため息つきながら制服に着替えて朝飯もくっていつもどおりなまえ!を迎えにいってやろうかと靴をはいていたところ玄関の扉がドンドンと叩かれやかましい。俺が靴を履いて扉をあけると真っ黒な服を着た魔女がいて(ちょっとビビったじゃねーか畜生が)。まあ正体は言うまでもなくなまえ!だが、なにがしたいんだ。もしかしてこの格好でここまで来たのか? 「…なにがしたいんだよ」 「だって今日ハロウィンだから」 「は、ハロウィン…」 なまえ!は口元しか見えないくらいまで深く被った黒のフードを邪魔そうにとった。そのときにマントの下の制服がすこしみえた。(どうやらこの格好で来たわけではないらしい)(なまえ!のすぐ足元にきっと魔女の衣裳をいれていたんだろう、今はからの袋が落ちているからだ) 「あれ、隼人はハロウィンしらないの?」 「いや知ってるけどよ」 「けどなに?」 「少なくとも日本の中学生はしないんじゃねーの」 「まぁわたしも今はじめてハロウィンというものをしました」 なまえ!はそういいながらごそごそとマントを脱ぎはじめた。こんな1分間のためにこれを買ったのかコイツ、馬鹿だ。 「で、お菓子は?」 「馬鹿か」 「お菓子ないの?」 「あるわけねーだろーが」 「その煙草ってお菓子じゃないんだ?あの、チョコのやつ」 「ちげーよ!殺すぞ!」 「ぎゃーうそですうそです!」 なまえ!はそう言ったあとに「じゃあいたずらしなきゃね」とか呟いて俺のくわえていた煙草をすっと取り上げた。 「てめーなにしやがる」 「だっていたずらするのに邪魔なのよ、」 ちゅ 「………なんだよ今の」 「い た ず ら、お菓子くれなかった罰でーす」 なまえ!はにいっとわらってわあ恐い、来年はちゃんとお菓子用意しててね。と言った。朝からハロウィンするやつはこいつくいだろうな、と思った。 悪魔のkissみたいに こいつは本当に悪からの使いで、実は魔女なのかもしれないと思った。 1018 まえつぎ |