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短編
ひばたん…!


キィ…と、何かの開く音が聞こえた。

『雲雀ぃぃぃい!』
そんな女の子の声が聞こえ、音に振り返ろうとしていた雲雀は後ろから誰かに抱きつかれてしまう。
いつもならそれくらい避けられる筈なのだが… 自分の部屋、しかも夜中な現在に聞こえてくるなどとは全くもって想像していなかった人物の声に、つい反応が遅れてしまったのだ。

「うわ…っ
一体どこから湧いて出たのさ」
『え。 窓だけど…?』
何を聞いているのかと言わんばかりの不思議げな表情で応える少女。
見ると鍵を掛け忘れていた窓が全開になっていて、更に結構な強さの風が部屋内に吹き付けてカーテンを揺らしていた。

「…取り敢えず、
寒いから窓閉めて。」
その言葉を聞いた少女は漸く雲雀から離れ、いそいそと窓を閉めに向かった。
少女が離れた事によりなんとか平常心を取り戻すことが出来た雲雀は、現在の状況を把握すべく彼女に話し掛けた。
「………それで、君はどうして今僕の部屋にいるの?姫」
すると姫はニコリと笑顔を浮かべ――
『誕生日おめでとう、雲雀!』
力強くそう言った。

「……は。…え、何で?
いや、たしかに今日は僕の誕生日だけど」
『お祝いしに来たんだよ!』
またもや元気な声で言い切る姫の顔を見つめ、雲雀は残った最大の疑問を口にする。

「…こんな夜中に?」
すると姫は当然だという表情になる。
『雲雀は私の大事な幼なじみだもん! だから…一番に祝いたかったのっ』
「そうだとしても、メールでいいでしょ? ていうかいつもはメールだし。
夜中に女の子が一人で外出するなんて危ないじゃない、いくらその女の子が君だとしても。」
『…最後の一言は余分だと思うなー』
姫が多少げんなりとした様子で言うと、雲雀はクスリと笑みを溢した。



【大切な人の誕生日は、
やっぱり一番に祝ってあげたいの…!】



(誕生日プレゼントとしてハンバーグを作ってあげます!)
(………え、今から?)
(うん、今から)
(…そ、そうなんだ……)




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あきゅろす。
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