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短編
骸夢【年明け】


『真っ直ぐに、
歩けない……?』
DSをしていた私は お茶でも飲もうと冷蔵庫に向かい、数歩歩くと言った。
足を前へ踏み出す度、身体がフラフラと揺れるのだ。

「……それ、以前新型インフルエンザを発祥した時にも言ってましたよね」
後ろから声が聞こえ、それと同時に身体を支えられる。
額に何かが触れる感触がし、それに続いて
「熱は無いようですね」
という彼の言葉が聞こえた。

『骸…』
名前を呼ぶと、彼は私の額に乗せていた手を漸く外してくれた。

「何ですか?」
『…多分これは寝不足が原因なだけだから。
全然問題無いわよ』
私がそういうと、骸は半ば呆れたような表情になった。

「寝不足で、真っ直ぐに歩けなくなる程ふらつくなんて……
貴方は一体どんな生活をしているんですか」
そんな骸の言葉を聞き、私は少しだけ、寝る前のことを思い出してみる。

『…寝る時は外から光が差し込んできていて、
起きた時の外は薄暗い。
大体そんな生活ね。』
「なんて不健康な生活なんですっ!」
驚いた様子の骸を横目で眺めながら、私はふむと一つ頷く。

『………来年からはもう少し、健康についても考えてみることにするわ』
「あ、いえ。
それは今年からにしてもらいましょうか」
『……?』
意味が分からず首を傾げた私に、骸は近くの時計を手で示した。



(あら、いつの間に…
全然気が付かなかったわ)
(クフフ…
僕も先程気が付いたばかりです)



A HAPPY NEW YEAR !!


◇-…∞†∞…-◆

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あきゅろす。
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