世界でただ一つのモノU
ナレーション
「翌日、会議室」
優
「心は決まったか?」
B-105
(きっぱりと)
「ああ。私は、…この組織に入隊したい」
涼
「……」
直
「…何の為に、ですか?」
B-105
「真実を、知るためだ」
津
「求めたものが、必ず優しいモノとは限らないわよ?」
B-105
「構わないよ。ただ、優しくても…辛くても、私は真実が欲しいんだ」
蘭
「道中で挫けても、優しい言葉は掛けられないわよ」
B-105
「うん、自分で決めたからには…自分でやり通すよ」
晶
(楽しそうに)
「ふふ…なかなか芯がしっかりしてるんですね。そういう方は、嫌いではないですよ」
陽
「まっ、能力者が増えればちょっとは楽になるっていうなら、反対どころか歓迎だけどねー」
優
「…わかった。ただし…お前の能力が何かわからない以上、しばらくの間は訓練を受けてもらう」
B-105
「どんとこい!能力とやらを使いこなしてやるよっ」
優
「…もうひとつ」
B-105
「ん?」
優
「名前を、取り戻せ」
B-105
「は?名前…?」
直
「隊長が言ってる名前と言うのは…光の計画の以前に、自分が親から貰った名前のことですよ」
津
「人は、整理番号なんかで表していいものじゃない」
晶
(大切そうに)
「名前とは…その人を表す、大事な…大事なモノですから」
涼
(真剣に)
「貴女には貴女だけを表す、世界でただ一つの名前があった筈でしょう」
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