世界でただ一つのモノ ナレーション 「会議室前廊下」 B-105 「休めとは言われたものの…今日は眠れそうにないな…」 (考える後ろからコツコツという足音) 涼 「おい」 B-105 「…お前は……」 涼 「一つだけ忠告をしておきましょう。…一人だけ不幸面をして、復讐を理由にこの組織に入るのであれば…僕は貴女を全力で排除します」 B-105 「な…っ」 涼 「…要らないんですよ。簡単に感情に左右されるような理由ならばね」 B-105 「!」 涼 「…用はそれだけです」 (またコツコツと足音を響かせながら遠ざかる涼) B-105 「待て!」 涼 (顔は振り返らず) 「………」 B-105 「お前は、何の為にここにいるんだ?」 涼 (冷たく) 「答える必要はない」 B-105 (涼の背中を見つめながら) 「…なんだアイツ…」 (B-105に与えられた自室に戻り) B-105 『復讐…か。正直、政府が憎い気持ちがあるのは認める。だけど……復讐したいかと問われれば…そうじゃない。私は……この組織に入るとしたら…何をしたいんだ?…わからない………』 『寧ろ…何も知らず存ぜぬで家に帰ってもいい。…でも、それも違う気がする…このまま家に帰ってもまたあのもどかしい日々が始まるだけだ。…私が、貧民街をパトロールしてた、本当の理由って……』 B-105 (今気がついたと言うように) 「あ…、そう、か……」 「わたしは…私は……!」 [←][→] |