お題小説
A
「すごいよねぇ、からマヨは。何だって完璧だし」
「お前だって...。ちゃんとやってるじゃねぇか」
ぼそり、とわさびは呟いた。
「え?」
「っ...、ば、ばか! 別に褒めてねーからな!」
わさびは顔を真っ赤に染め、マヨから視線を外した。
「あ、わさび! そのケガ、どうしたの!?」
マヨはわさびの腕にある傷に目をやる。
血はすでに止まっているものの洗った跡などはなく、手当てもされていなかった。
「あー、これか。すっかり忘れてた」
「ちゃんと手当てしないと!」
「って、そんなことより! どうしてケガしたの?」
「.....」
わさびは言いたくないのか、頑なに口を閉ざしていた。それに目を合わそうともしなかった。
「わ・さ・び!」
言おうとしないわさびに、詰め寄る。
そうすれば諦めたように、わさびは1つため息を吐き、告白した。
「―――わかった、言うよ。アイツだよ、しょうが」
「しょうがさん!? またケンカしたのね」
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