お題小説
@
夕刻―――。
2人の男女が仲良く家路へと足を進めていた。学校から家までの風景は、ほぼ田んぼである。
2人の通う高校―――梢弥良(ちょうみりょう)高校は田舎にあり割と静かな場所に建てられていた。
彼らの名前は、女の方が『卵田マヨネーズ』。男の方が『葵山わさび』である。
「それでね。今日困ってたら、またからマヨが助けてくれたんだ」
今日の出来事を、隣を歩くわさびに話す。これはマヨにとって日課となっている。
わさびはなかなか自分のことを話さず、黙ってきいているのがほとんどだ。
「お前って、いつもからマヨさんの話ばっかだよな」
「そうかな?.....からマヨはしっかり者だからね。ついつい話したくなるの」
別に自分がさぼり魔なわけではないのだ。ただ人より、事を進めるペースが遅いのだ。
今日あった委員会で、プリントを分類していたのだが。それがあまりにも遅かったので、先輩に注意されてしまったのだ。
そこで彼女を助けたのが、従兄のからマヨだったのだ。
「マヨ。また注意されたのか?これは俺がやっといてあげる」
「え、でも....、」
「いいから。マヨは帰りな」
マヨの目の前にある、大量のプリントを取ると、からマヨは優しく彼女に言った。
彼はしっかり者で仕事も完璧。皆からの信頼がかなり厚いのである。
そんな、からマヨにいつも助けられているのだ。
彼が優しいのは、マヨだけにではない。皆に優しいのだ。
[←][→]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!