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お題小説
three

―――ほら。
ボタンに手をかけたまま、私の方を見つめる呉羽様が。

本当に可愛らしいお方だ。


「守夜...」
「かしこまりました、呉羽様」

もちろん、全てを私が行うわけではありません。
あくまでお手伝いするのは、ボタン掛けとネクタイを締めることぐらいです。

それ以外はさすがに、ご自分でやっていただかなければいけません。


「そういえば、父上はどうしてる?」
「大旦那様は、先日計画していらした遊園地の建設地へ向かわれましたよ。なんでも、土地が足りないようで、辺りの道路を買収すると仰ってました」
「そうか。父上はやることが大胆だな」


大旦那様のご計画では、日本一の遊園地を造るとか。
王龍司家でいらっしゃいます、当然大ウケするに違いありませんね。


「よし、白金が来るまで遊ぶかな〜!」

着替えが終わったと同時に、呉羽様はおっしゃいました。

遊ぶだなんて、とんでもありません。まだ他にもご予定はあるのですから。

「えー、やだ! あれ、つまんないし」
「そんなことを言われましても...。講師の方はすでにいらしてますよ」


愚痴をこぼす呉羽様。
勉強をなさりたくないお気持ちもわかりますが、これも呉羽様のためなのです。

いずれは、王龍司家を継ぐ、呉羽様の―――。


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あきゅろす。
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