お題小説
two
「今日は、スコーンと...、紅茶はお前に任せる」
「はい、かしこまりました」
たくさん用意しても、呉羽様は少食でいらっしゃるので、あまりお食べにはなりません。
しかし。桃は別でいらっしゃるようです。
私が朝食の準備をしている間に呉羽様の手元には桃のコンポートが。
「呉羽様...。朝食を召し上がってからにしてください」
「イヤだ。それより、今日の予定って何だ?」
「本日は、白金様がいらっしゃいます」
「白金が?」
白金様とは、妃梨財閥の跡取りでいらっしゃいます。
妃梨財閥も名のある家なのですが、財力は王龍司家には到底、敵いません。
呉羽様と白金様は幼馴染で、白金様の方が3つほど年上でございます。
最近は、仕事に携わっていらっしゃるようで、日々の生活は忙しいものとお聞きしました。
「はい。ですので、本日は正装していただきます」
「わかったよ。どーせ、いつも何だかんだでスーツだし。そんなに変わらないからな」
呉羽様は渋々とお立ちになると着替えを始めになりました。
しかし。
呉羽様がお1人で着替えることなどできるはずがありません。
生粋の"お坊ちゃん"ですからね。
.
[←][→]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!