[携帯モード] [URL送信]

十六夜月の秘密


翌日 夜―――。


「クロ! 今日はいつもより来るの早いね」

カイルは嬉しい気持ちでいっぱいになり、すぐさまクロに駆けよる。


「そうか?」
と、クロは微笑して応えた。

「あ、喋り方が『男』になってる」

昨日会った時と口調が違う。初めの頃と何ら変わりない。

しかし、昨日の口調の方が本当のクロのものなのだ。そう思うと、少し違和感がある。


「まぁ、この格好の時はクセでこういう風になるんだよ」


ふーん、とカイルは軽く相槌を打った。



「そうだ、訊きたいことがあるんだけど」
「なんだ?」

何でも訊いていいぞ、とクロは付け加える。


もし、こんなことを尋ねてしまったら、クロに嫌われてしまうかもしれない。しかし、訊かないことには、胸の辺りかまモヤモヤとして気持ち悪いのだ。


カイルは意を決したように、口を開いた。



「クロは殺し屋って言ったけど前に何人殺したの?」
「―――――.....、」

その質問に、今まで笑っていたクロの表情が一瞬にして固まる。

そして気まずそうに目を逸らした。




[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!