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十六夜月の秘密


―――ある昼下がり。

全てを白で囲まれた部屋は、暖かいやわらかな日差しで包まれていた。



部屋にはクスクスと女性の笑い声が響いている。

それ以外は物音1つしない。



―――と、今まで笑っていた女性が口を開いた。

「本当に面白いと思わない?」


問いかけてはいるが、相手からの返答はない。


「鈍感なのよ。それに、残酷」


それでも女性は話し続ける。

まるで、相手の返答は元から期待していないように。



「忘れられるのは、これほど悲しいものなんだってね」


彼女の表情は悲痛を浮かべていた。





「お見合い、してみる?




―――ハナ、」


「........」


.


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